オリ・由伸“鬼門”突破で球団新18連勝「最低の中で粘り強く」

[ 2022年4月10日 05:30 ]

パ・リーグ   オリックス4-2ロッテ ( 2022年4月9日    ZOZOマリン )

<ロ・オ>昨季からの連勝記録を「18」に伸ばした山本(撮影・長久保 豊)
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 オリックス・山本由伸投手(23)が9日のロッテ戦(ZOZOマリン)で、強風に苦しみながらも7回2失点で開幕3連勝。前身の阪急時代だった70~71年足立光宏を抜き、球団新記録となる2年越しのシーズン18連勝を飾った。

 「鬼門」でも、大崩れしないのが絶対エースだ。再三の危機を背負っても、山本は耐えた。初回は連打と自身の失策が絡み無死二、三塁。その後1死満塁でマーティンの右翼への大飛球は風で戻される形で犠飛となり、今季16イニング目で初失点を喫した。ただ、集中は切らさない。続く安田を外角152キロ直球で空振り三振に斬り、最少失点で切り抜けた。

 「内容としては最悪ですけど野手の方に助けてもらいました。変化球も風の影響なのか、フォークが落ちないとか。風なのか、調子なのか。最低の中で粘り強く2失点でいけたことが唯一よかった」

 球場表示は上空13メートル。ぴったりと着こなす山本のユニホームの裾がバタバタとはためいた。強風が吹き荒れたマウンドで自己最悪6四死球、被安打9。試合前までのZOZOマリンでの通算防御率3・51は、パ5球団本拠球場ワースト。そんな唯一の難所で昨年5月28日ヤクルト戦から続く連勝を18に伸ばし、球団記録を更新した。中嶋監督も賛辞を惜しまない。

 「ここの風は投げる人でも難しい。いつもなら、あり得ない四死球の数でも粘って投げてくれた」

 マウンドを降りても、エースの自覚がある。今春キャンプでチームに地元・岡山の老舗店「岡山木村屋」の「バナチョコロール」を大量に差し入れた。幼少期から慣れ親しんだソウルフード。「うまいっスよ。今でも好きです」と好物を振る舞い結束を高めてきた。

 「意地とかではないですけど、勝つために全力でやっているだけです」。楽天・田中将が12~13年にかけて樹立した28連勝の先に、リーグ連覇が見えてくる。(湯澤 涼)

 《シーズンまたぎ最高は28連勝》山本(オ)が昨年5月28日のヤクルト戦から18連勝。連続シーズンで18連勝以上は、12~13年田中将(楽)の28連勝、51~52年松田清(巨)、57年稲尾和久(西鉄)の各20連勝に次ぐ歴代4位タイ。オリックスでは70~71年足立光宏(当時阪急)の17連勝を抜く球団新記録となった。

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2022年4月10日のニュース