新井貴浩氏 阪神にとって痛かった広島・森下の三塁打 結果論ではなくボール球を挟む場面だった

[ 2022年4月10日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神1ー9広島 ( 2022年4月9日    甲子園 )

スポーツニッポン評論家の新井貴浩氏
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 【新井貴浩 視点】阪神から見て痛かったのは、やはり3回に森下に許した三塁打だ。梅野が誰よりも後悔していると思う。直球を続けたのは、森下が前々回のDeNA戦で3安打とも変化球をうまく打っていた…というデータが頭にあったからだろう。初球は外角でストライク。結果論ではなく、続けるなら、次はボールにすべきだった。

 秋山はコントロールが良く、内角要求でも死球で押し出すリスクは小さい。少なくとも高めのボール球を挟むなど慎重に攻めないといけないところで、初球よりも甘くなった。

 2回に3点を先行され、相手が森下ということを考えれば、これ以上、失点すれば厳しくなると分かっていたはず。しかも無死満塁を2死まで持っていった後だ。やれることをやった上で打たれたのなら仕方ない。梅野自身が「もっとできることがあったのでは」と感じていると思う。

 広島は2回無死一塁から6番・会沢にバントをさせて先制点につなげた。会沢は打力があり、打順も下がっていく場面。犠打の選択はセオリーではないかもしれない。8番に好調の上本がいるから選べる作戦だろう。開幕から「出てよし、つないでよし、還してよし」の貢献。リーグ最少3本塁打で、リーグ最多72得点。つながりのある打線の象徴が上本と言っていい。

 2回には2度続けてスクイズを仕掛けた。なかなか見られない攻撃で、ベンチがリスクを負って選手を動かしている。両軍のいまのチーム状況が、そのまま出たような一戦だった。(スポニチ本紙評論家)

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2022年4月10日のニュース