鯉の二刀流だ 森下、24年ぶり広島投手の猛打賞&3打点で今季初星 セ初の開幕2試合連続2桁得点に貢献

[ 2022年3月27日 05:30 ]

セ・リーグ   広島10-5DeNA ( 2022年3月26日    横浜 )

<D・広2>5回、適時打を放った森下(撮影・島崎忠彦)
Photo By スポニチ

 赤ヘル打線の勢いが止まらない。11点を挙げた25日の開幕戦に続いて、26日のDeNA戦(横浜)も10―5で連勝。開幕からの2試合連続2桁得点はセ・リーグ史上初となった。主役を演じたのは森下暢仁投手(24)だ。8回を8安打3失点に抑えると、打ってもプロ初の3安打3打点と投打に活躍。つながる打線に佐々岡監督はニンマリだった。

 野手顔負けの打撃だった。落ちる変化球をコンパクトに振り抜くと、外寄りに甘く入ったスライダーは強く振って、プロ初の3安打3打点。セ・リーグ初となる開幕からの2試合連続2桁得点にバットで貢献した森下は、はにかんで笑った。

 「いや、もうたまたまです。貢献できたのは良かったけど、たまたま、いい所に飛んでくれただけです」

 広角に打った。3回の先頭で中前打を放って2点目のホームを踏むと、4回2死一、二塁ではライナーで鋭く右翼線を破る2点二塁打。7―2で迎えた5回2死一、二塁でも適時打を左前へ。打つたびに、塁上では森下の笑顔がはじけた。

 半面、投球には課題を残した。3回まで完全に抑えながら、中盤以降は毎回走者を出した。4回1死から長短3連打で2点を失い、5回にも失点した。その後は粘って要所を締めたものの、8回3失点では、意識の高い森下は納得できない。

 「粘ることはできたけど、投球は良くなかった。前回(19日のソフトバンク戦)から、2巡目でずっと点を取られているので…」

 悔しい経験を胸に刻む。登板24試合のうち19試合でクオリティースタート(QS=6回以上で自責3以下)を果たしながら、援護に乏しく8勝に終わった昨季。なかなか勝ち切れない現実に直面し、勝利数よりも防御率を重視しようと決めた。

 「連続QSなんてうれしくない。3点取られて負けたらハァーッていう感じ。点をもらって打たれたこともあるし、援護が少なくても勝ち切りたい。だから、今季は防御率を」

 念仏のように“勝ちたい”と唱えていた右腕はもういない。昨季の防御率2・98を2点台前半に。「そうすれば自然に勝ちは増えるのでは…というイメージ」。本人には納得できない3失点。それでも今季初戦で白星を手にした意味は大きい。

 「いいスタートが切れた。3点取られたので、次は最少失点に抑えられるように。勢いに乗って、どんどん勝っていけるように頑張りたいと思います」

 投打に渡る活躍でさい先良い1勝。防御率にこだわり始めた右腕に今季、勝ち星量産の予感がする。(江尾 卓也)

 《3打点の投手は球団2年ぶり》先発投手の森下(広)が3安打3打点。猛打賞、3打点ともにプロ初で、広島投手の猛打賞は98年5月12日のヤクルト戦で加藤伸一が3安打して以来24年ぶり。3打点は20年6月19日のDeNA戦で大瀬良が2ランを含む3打点して以来2年ぶり。

続きを表示

この記事のフォト

2022年3月27日のニュース