【大谷MVP投票記者の証言・西地区】「ベーブ・ルースの上」「プロスポーツ界全体で別格に非凡な存在」

[ 2021年11月19日 18:30 ]

満票でMVPに選出された大谷
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 大リーグ機構(MLB)は18日(日本時間19日)、今季のMVPを発表し、投打二刀流による歴史的な活躍をしたエンゼルスの大谷翔平投手(27)がア・リーグMVPに選ばれた。満票選出は15年のハーパー(当時ナショナルズ、現フィリーズ)以来、6年ぶり19人目の快挙となった。

 満票での快挙。30人の記者たちは、どのような考えによって今シーズンの大谷の活躍を評価したのか。他の選手と迷った記者はいたのか。二刀流の数字の捉え方は。東、中、西3地区の投票記者それぞれの「証言」でひも解く大谷満票MVPの裏側――。

【西地区】

 ▼ラリー・ストーン=シアトル・タイムズ(マリナーズ担当)
 「97年にケン・グリフィーが満票で選ばれた。56本塁打で当時メジャー記録だったロジャー・マリスのシーズン61発に迫った。チームも地区優勝した。27歳で彼の最高のシーズンだった。今年の大谷はあの時のグリフィーと同じく満票に値する。01年のイチローのMVPの時は、アスレチックスのジェーソン・ジアンビも有力候補で、チームメートのブレット・ブーンもいた。今では勝利にどれだけ貢献したかを示す指標であるWARがMVP選考では最も重視されるが、イチローはWARではその2人に劣っていた。今、あの投票をやり直したら、結果は違ったかもしれない。当時私はイチローに投票したが、あの判断は今でも間違っていなかったと思っている」

 ▼クリスティ・リーケン=AP通信(アストロズ担当)
 「MVPはベストチームの選手である必要はない。アスレチックス担当の実況者が『ゲレロがマウンドから投げたら連絡をくれ、彼に投票する』と言ったが、比較するのも公平ではないと思う。大谷は攻撃面の数字だけ見てもMVPに値した」

 ▼リチャード・ジャスティス=大リーグ公式サイト(アストロズ担当)
 「決めるのは難しくなかった。大谷だ。以前は勝っているチームから選ぶべきと考えたが、チーム不振の責任はフロントにあって、選手にはない。野球ファンの大人たちが、子供に大谷を見せておきたいと、こんなに熱心になったのは初めてだ」

 ▼ライアン・ディビッシュ=シアトル・タイムズ(マリナーズ担当)
 「私はチーム成績は重要視しない。大谷は消化試合でプレーしたという見方もあるが、意味のない試合は大リーグに存在しない。リーグでトップ10に入る投手で、トップ3の打者、トップ5の走者。その上登録枠を一つ空ける役割まで果たした」

 ▼マーティン・ガエゴス=大リーグ公式サイト(アスレチックス担当)
「今季の大谷はベーブ・ルースの上をいっている。投球がいまいちの日でも、バットや足で流れを変えるビッグプレーを決める。私はベイエリア出身で、子供の頃はバリー・ボンズにくぎ付けだった。大谷を見ると当時のことを思い出すんだ」

 ▼ジェイニー・マッコーリー=AP通信(アスレチックス担当)
 「世界中から注目されながら、笑顔を絶やさずユーモアのセンスも見せながら、二刀流を続けたのは本当に凄いこと。今季は特別なシーズンで、投票にデータは必要なかった。近年のプロスポーツ界全体を見渡しても、別格に非凡な存在だった」

 ▼レッド・ボリンジャー=大リーグ公式サイト(エンゼルス担当)
 「野手としてならゲレロが少し上だが、投手を含めると明らかに大谷がMVP。ナ・リーグを含めても最も価値ある選手だった。忘れられないのは今季初登板だった4月4日のホワイトソックス戦。あそこからリアル二刀流シーズンが始まった」

 ▼松下裕一=共同通信(エンゼルス担当)
 「3位以下は物凄く悩んだが、上位2人は即決だった。打者だけならゲレロに入れていたが、総合力で大きな差があったと思う。日本ハム時代から多くの試合を取材してきた中で、今年ほど何度も驚かされ、心が躍らされた一年はなかった」

 ▼リーバイ・ウィーバー=ジ・アスレチック(レンジャーズ担当)
 「野手としてだけだったらゲレロに入れていた。私は通常ならMVPはチーム成績も考慮する。しかし大谷は投げても、打っても、走っても、チームに大きな価値を与えた。野球記者として彼のような選手を同時代に見ることができて幸運だ」

 ▼エバン・グラント=ダラス・モーニング・ニューズ(レンジャーズ担当)
 「以前は打率、本塁打、打点が重要と信じていたが、今はWAR、OPSという指標を見る。だがそれより大事なのはストーリー。1941年、56試合連続安打のディマジオが、2冠王のウィリアムズを上回りMVPに選ばれた。そういう賞だ」

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