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日大三島・野田優 天国の弟へ白星を、20日神宮大会開幕 チーム唯一の東京出身が“凱旋試合”

[ 2021年11月19日 05:30 ]

仲間に指示を送る日大三島・野田優
Photo By スポニチ

 来春センバツの“前哨戦”となる第52回明治神宮野球大会が20日に神宮球場で開幕し、高校の部に秋季東海大会を初制覇した日大三島が出場する。初戦は準々決勝(22日)からで、クラーク記念国際(北海道)―九州国際大付(九州)の勝者と対戦。メンバー唯一の東京都出身、成長著しい女房役の野田優磨捕手(1年)が天国の弟へ勇姿を届ける。

 夜空を見上げながらつぶやいた。

 「東京(神宮)でプレーするために、東海大会で勝ちたかった。それが一番大きい。弟のためにも……」

 チームにとってあくまで来春センバツへの通過点であっても、野田優には実家のある都内で戦うことに大きな意味があった。6歳の時、生まれつき病気を抱えていた弟の直斗くんが3歳で逝去。東海大会直前、家族と「直斗のために頑張る」と約束を交わし、投打の大黒柱を担うエース右腕・松永陽登(2年)を懸命にリードしてVにつなげた。弟との思い出はほとんど記憶がない。物心が付く以前の話で「消防車のおもちゃが好きだったこと。病院と自宅を往復していたことくらいしか覚えていません」と頭を巡らせた。しかし、明治神宮大会と来春甲子園(当確)のW全国は、天国で見守る直斗くんからの贈り物だと信じている。

 初戦の相手は、九州大会4試合で50安打43得点と猛爆した九州国際大付と予想する。まずは松永の良さを引き出し、巧みに打たせられるか。最速140キロの直球と、フォークにチェンジアップといった縦の変化で勝負するタイプ。勝負どころでの体を張ったストッピングができるかも焦点となる。県大会5試合で捕逸はゼロでも、ワンバウンドを後ろにそらし暴投4の記録が残る。それが東海大会直前の大阪遠征で社会人関係者から「体で包み込むようにボールを止めろ」と助言を受け、実践して同大会ではわずか1つに。「意識を変えたら止められるようになった。今は自信があります」と笑顔がこぼれた。

 勝てば大阪桐蔭との対戦も現実味が増す。「全国は初めて。ワクワクします」。“凱旋試合”で、亡き弟や家族のために精いっぱいのプレーをする。(小澤 秀人)

 ◇野田 優磨(のだ・ゆうま)2006年(平18)2月19日生まれ、東京都三鷹市出身の15歳。中原小2年から新川リトルズで野球を始め、以来捕手ひと筋。三鷹第五中では調布リトルリーグ―調布リトルシニアでプレーし、2年秋に関東大会出場。日大三島入学後は1年夏に背番号12を付け8番で先発出場。1メートル78、76キロ。右投げ右打ち。家族は両親と兄。血液型不明。

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