京都国際にVデータ!森下達成の「2桁奪三振&1-0完封」はV腕・高橋光成以来 初優勝に追い風

[ 2021年8月20日 05:30 ]

第103回全国高校野球選手権2回戦   京都国際1-0前橋育英 ( 2021年8月19日    甲子園 )

<京都国際・前橋育英> 6回、ぴしゃりと抑え、笑顔の京都国際・森下 (撮影・平嶋 理子) 
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 2回戦2試合が行われ、京都国際が前橋育英を1―0で下し、今春選抜に続いて夏初出場初勝利を挙げた。先発の森下瑠大投手(2年)が4安打10奪三振で完封した。

 今春選抜での悪夢を振り払う快投だった。京都国際の2年生エース左腕・森下瑠大が、130球を投げ切って被安打4、10奪三振完封。同校に夏初勝利をもたらした。

 「序盤からピンチをつくってしまって危なかったんですけど、要所でギアを変えて抑えられてよかったです」

 初回こそ1死満塁のピンチを招いたが、連続三振で脱出。以降、得点圏の走者を許したのは4回だけと圧巻だった。今春選抜2回戦の東海大菅生戦では、完投勝利まであと1人だった9回2死満塁で二塁打を浴び、サヨナラ負け。「選抜ではインコースが投げ切れなかったけど、今は投げ切れる」と4カ月間の成長に胸を張った。

 趣味は映画観賞で、「誰かと見るより一人の方が好き」と自室にこもり、1カ月に約1本ペースで見る。好きなジャンルは恋愛もので、中でも「君の膵臓をたべたい」が一番のお気に入り。オフの日は主演の浜辺美波にキュンキュンして英気を養う。この日、特にさえ渡ったのはストライクからボールになる左打者へのスライダー。内角直球を見せ球にすることで、より効果を発揮した。「3番・遊撃」の難敵・岡田啓吾を4打数3三振と完璧に封じるなど相手打線を分断。スライダーをギュンギュン曲げて、1~5番まで左打者が並ぶ前橋育英打線をきりきり舞いさせた。

 夏の甲子園の「2桁奪三振&1―0完封」は、くしくも8年前、前橋育英の2年生エース高橋光成(現西武)が記録し、同校に初勝利をもたらして以来。そのまま頂点まで駆け上がった。京都国際にとっては吉兆となるデータが並ぶ。「次の試合に向けてしっかり準備していきたい」と森下。雨上がりの快投は、快進撃の序章に過ぎない。(北野 将市)

 ◇森下 瑠大(もりした・りゅうだい)2004年(平16)9月19日生まれ、京都府福知山市出身の16歳。小1時に昭和ガッツで野球を始め投手兼外野手。南陵中では福知山ボーイズでプレーし全国大会出場。京都国際では1年秋からベンチ入り。最速143キロにスライダー、カットボール、カーブ、チェンジアップ。1メートル78、73キロ。左投げ左打ち。

 《京都勢、夏122勝目で6位タイ》京都国際・森下が1―0完封。夏の甲子園大会で完投による1―0完封は19年1回戦の秋田中央戦で立命館宇治・高木要が記録して以来で、今大会初。10奪三振以上の1―0完封は13年1回戦の岩国商戦で前橋育英・高橋光成(現西武=13奪三振)が記録して以来8年ぶり。ちなみに2年生投手の1―0完封も同年2回戦・樟南戦の高橋以来。京都勢は夏の選手権大会通算122勝目。和歌山、愛媛に並ぶ6位タイに浮上。夏の選手権大会で京都勢が群馬勢と対戦するのは00年の鳥羽―桐生第一(○5―0)以来21年ぶり。通算9勝0敗となった。

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