楽天 逆転Vへの“キーマン”オコエ 「ゴン攻め」パフォで妹・桃仁花に負けない活躍を

[ 2021年8月20日 12:00 ]

楽天・オコエ
Photo By スポニチ

 東京五輪が終わり、8月13日からプロ野球のペナントレースが再開した。優勝争いは両リーグともに現時点で抜き出たチームはなく、最終盤までもつれそる公算が高そうだ。

 パ・リーグ(19日時点)は、オリックスが貯金10で首位を走る。記者が担当する楽天は、2・5ゲーム差の2位につけている。逆転Vを目指すための「キーマン」を一人挙げるならば、後半戦から1軍に登録されたオコエだ。

 2月に左手首の手術を受け、苦しいリハビリを乗り越えて6月末に2軍戦で実戦復帰を果たした。中断期間中のエキシビションマッチでは打撃だけでなく、持ち味としている積極的な走塁も首脳陣から高く評価され、1軍昇格を勝ち取った。

 前半戦終了時、石井監督は「実績のある選手たちがチームを引っ張ってくれた。(残り試合で)若い選手にも出てきてもらいたい」と話していた。さらに、後半戦に向けて「結果を怖がらずに、一歩を踏み出すことが大事。結果を恐れて受け身になると、なかなか良い結果は得られない」と強調した。

 ベテランも中堅も若手も、誰だって失敗はしたくない。状況判断に基づいて安全策を選択することは不可欠だが、試合数が少なくなるにつれてリスクを負ってでも「攻め」の姿勢を見せなければいけない局面が必ず出てくる。そんな時こそ、オコエの出番だ。圧倒的な身体能力から生み出されるビッグプレーには、試合の流れや球場の雰囲気を一変させる力がある。

 楽天は投打で経験豊富な主力選手が数多く顔をそろえている。そこにラッキーボーイ的な若手が加われば、間違いなくチームの推進力は増す。指揮官はオコエについて「野球としっかり向き合えば」と前置きをした上で「素晴らしい選手になる可能性を秘めている。センスは凄く良いものを持っている。期待しています」と言った。

 プレー以外で注目されることも多いが、今こそ野球でスポットライトを浴びる絶好機だ。女子バスケットボール日本代表の一員として東京五輪で銀メダルを獲得した妹・桃仁花から大きな刺激をもらった。「妹とともに頑張る」とモチベーションは高い。今季で6年目。守るものはないはずだ。「ゴン攻め」のパフォーマンスで「やっぱりお兄ちゃんも凄かった!」と唸らせてほしい。(記者コラム・重光 晋太郎)

続きを表示

2021年8月20日のニュース