広島・大瀬良で連敗脱出!!中日・大野雄とのエース対決制した 責任全う7回零封、バットでも貢献

[ 2021年8月20日 05:30 ]

セ・リーグ   広島3-1中日 ( 2021年8月19日    バンテリンD )

<中・広>力投する広島先発の大瀬良(撮影・椎名 航)
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 広島・大瀬良大地投手(30)が19日の中日戦でチームの窮地を救う5勝目をマークした。今季2度目の中5日で、大野雄に投げ勝つ7回零封の力投。打撃でも5回に右前打で好機を広げて4試合35イニングぶりの得点を呼んだ。野間峻祥外野手(28)は先制打を含む2安打2打点の奮起。9回は東京五輪帰りの栗林良吏投手(25)が19セーブ目で締め、連敗を4で止めた。

 大瀬良は最大の見せ場でギアを上げた。先頭・京田に右前打を許し、犠打で1死二塁のピンチを招いた1―0の6回。打席に中軸の大島を迎えた場面だ。

 「点をやりたくなかったし、悔いの残る球は投げたくなかった。しっかりギアを上げる中で、制球を間違うことなく投げられた」

 習熟中のチェンジアップで空振りを奪い、決め球は148キロ外角低め直球。8球を費やして巧打の3番を左飛に斬ると、ビシエドは申告敬遠。最後は福田を6球目の内角高め146キロ直球で空振させた。三振。右手拳を握り締めるガッツポーズに達成感がにじんだ。

 「中日のエース・大野雄さんが相手なのでなかなか点は取れないと思っていた。僕も粘り強く、負けないという気持ちで投げた」

 エースと呼ぶにふさわしい投球だった。打線が3試合連続零敗を喫する苦境で、今季2度目となる中5日での先発。1点が勝敗を分ける緊迫感の中、東京五輪帰りの大野雄に投げ勝つ7回零封の力投は、大瀬良の強さと価値を証明するものだ。

 バットでも魅せた。5回2死一塁から6球粘って右翼線への安打でつなぎ35イニングぶりの得点となる野間の先制打をアシスト。7回1死一塁でもきっちり送りバントを決め野間と長野の長短連続タイムリーを呼んだ。

 「あそこ(5回)はもう泥臭く。僕が出塁すれば、みんなが“いくぞ”っていう気持ちになると思った。形は気にせず、何が何でもという気持ちだった」

 佐々岡監督は、執念で勝利をたぐり寄せた投手キャプテンを「ほんと、よく粘って試合をつくってくれた。点が取れていない中、9人目の打者としても粘ってつないでくれた」と大絶賛。それでも大黒柱は浮かれない。

 「前半戦はすごくチームに迷惑をかけた。後半戦はしっかり僕中心に勝っていけるように。責任を持ってマウンドに上がりたい」

 常に穏やかな30歳が示した強烈な矜持(きょうじ)とプライド。巻き返す時間は十分ある。(江尾 卓也)

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