福島敦彦氏　京都国際・森下投手は2年生とは思えない落ち着き　球速以上に打者は伸びを感じるはず

第103回全国高校野球選手権2回戦   京都国際1－0前橋育英 （ 2021年8月19日    甲子園 ）

＜京都国際・前橋育英＞完封勝利を挙げた京都国際・森下（撮影・北條　貴史）
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　【福島敦彦の迫球甲子園】両エースが互いに持ち味を発揮した。京都国際の森下君は2年生とは思えない、落ち着いたマウンドさばきが印象的だった。初回1死一、三塁から4番の皆川君にストレートの四球を与えたが、以降の2打者には両サイドを幅広く使い、最後は外角の真っすぐでいずれも三振に仕留めた。投球フォームに力みがなく、リリース時に力を集中できるので打者は球速以上に手元で伸びを感じたはず。今春選抜で2試合に登板した経験も大きかった。

　両チームともに打力は物足りなさを感じたが、1―0でノーゲームとなった近江―日大東北も同様に、雨による順延の影響が打者により色濃く出ている。相手投手を研究する時間は増えたが、実戦から遠ざかり打席での対応、修正ができていない。制球力を生かし、うまい投球を展開した前橋育英の外丸君は1球に泣いた。高めに浮いたスライダーを中川君がソロ本塁打したように、失投を高い確率で捉える打撃が求められそうだ。（報徳学園、慶大、中山製鋼元監督）