“もう一回やらなアカン”自らの言葉噛みしめ再起を…中田翔という男

[ 2021年8月20日 12:12 ]

<巨人・中田入団会見>入団会見を行った中田翔 (撮影・森沢裕)
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 過去に中田に自身の引き際についての考えを聞いたことがあった。「正直、(若い時は)プロ野球を辞めるときはあっさりしてるんだろうなと想像していた。ちょっと体が動かなくなったらすぐに辞めるつもりだった」。現役生活にしがみつくのではなく、自らの意思でスパッとプロ野球選手生活に区切りをつける考えだった。

 しかし、2人の女児が生まれ、19年には第3子となる長男が誕生。今夏には第4子となる次男も誕生した。「男の子が生まれて1年でも長くやりたいという気持ちに変わりつつある。1年間通して戦うのは本当にしんどいし、凄くストレスのかかる仕事だから正直、まだ変わってはいないよ。でも、変わりつつはあるね」と笑いながら明かしてくれたことがある。

 今回の暴力事件で野球界、家族とあらゆるところに迷惑をかけた。決して今回の愚行は許されるものではない。移籍しても周囲から厳しい目で見られることには変わりはない。それでも中田が今回の一件で現役続行の道が断たれず、セカンドチャンスを与えられたことは本当に良かったと思う。初心に帰り、迷惑をかけた野球界、家族に恩返しをする番だ。

 自ら再調整を申し入れた中田が、6月1日に2軍で実戦復帰した際、「本当にいろんな人に迷惑をかけたと思うし、心配もかけた。もう一回やらなアカンっていう気持ちになっている」と話した。中田の言葉を信じていた栗山監督や球団、家族をこの後の暴力事件で裏切っただけに、この言葉を噛みしめて再起してほしいと願っている。(日本ハム担当・東尾 洋樹)

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2021年8月20日のニュース