広島・大瀬良 大野雄に投げ勝ち94日ぶり3勝 「いい形で後半に向かいたいと思っていた」最下位脱出導く

[ 2021年7月13日 05:30 ]

セ・リーグ   広島6ー2中日 ( 2021年7月12日    マツダ )

<広・中(12)>7回2失点と好投した大瀬良(撮影・奥 調)
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 広島・大瀬良大地投手(30)が12日の中日戦で94日ぶりの3勝目をつかんだ。今季初の中5日登板で7回2失点の粘投。通算6度目を数えた大野雄との投げ合いを制し、4月9日の巨人戦で2勝目を挙げてから自己ワーストを更新した先発未勝利を7試合連続で止めた。6月18、19日以来の連勝に導き、6月24日以来の最下位脱出も決めた。

 大瀬良が明かした胸中は、白星から遠ざかっていた苦しさを如実に表していた。

 「思うようにいかないことが多くて苦しかった。みんなが支えてくださって、少しずついい感覚が戻ってきた。いい形で後半に向かいたいと思っていた。何とか勝って終わることができて良かった」

 今季初の中5日登板は、序盤から制球に苦しんだ。初回先頭の京田に右中間への三塁打を許して、続く根尾の一ゴロの間に先制点を献上した。乱れた制球を完璧には修正できなくても、与四球を1つに抑える投球術が光った。6―2の7回では、先頭の阿部、代打・福留に連続安打を許すも、後続を打ち取って無失点。球威を頼りに押し込み続けて、7回2失点と我慢した。

 「4回くらいからフォームのタイミングが合ってきた。直球の強さが出てきたので、いろんな球を使って抑えることができた」

 殊勲のお立ち台には、投打でそれぞれ主将を務める鈴木誠と上がった。今春キャンプから投手主将として本格始動。右肘手術のリハビリ明けで2軍スタートだった中、練習開始の90分前には球場に到着して患部のケアなどに時間を当てると、その姿を見た後輩らも球場入りを早めて準備に時間をかけるようになった。

 2月中旬に1軍合流が決まった際には、12月から合同練習を続けて指導してきた高卒4年目の山口に伝えた。「投球フォームの動画を撮ったら、毎回俺のスマホに送って見せるように!」。2軍で苦しむ後輩の面倒も見ると決め、オープン戦では登板直前まで後輩の動画を確認しながら助言したこともあった。

 4月中旬に右ふくらはぎ痛で離脱するも、チームに迷惑をかけられないと約1カ月で1軍に戻ってきた。何よりもチームを最優先に行動してきた姿を知るナインが投打を越えて一丸となり、菊池涼ら野手は何度もマウンドに声を掛けにいった。そして、94日ぶりの白星が生まれた。

 「気持ちが沈んでいたから、みんなが前に向かせるようなことを言ってくれた。ありがたい。みんなで一つでも順位を上げていきたい」。逆襲への姿勢をマウンド上で示した。(河合 洋介)

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