ドカベンで登場頭脳プレー、甲子園で出た!12年夏 済々黌VS鳴門で「アウトの置き換え」

[ 2020年12月2日 05:30 ]

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12年夏の甲子園、済々黌VS鳴門で出た「アウトの置き換え」プレー図
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 「ドカベン」に登場する頭脳プレーが、現実の高校野球でも生まれた。12年8月13日、甲子園での全国高校野球選手権大会2回戦。鳴門と済々黌の一戦だった。

 済々黌が1点リードで迎えた7回1死一、三塁でライナーを遊撃手が好捕。ボールは一塁へ送られ、一塁走者もアウトとなった。無得点でチェンジとなるはずが、スコアボードには「1」が入った。

 三塁走者はライナーに飛び出したが、一塁のアウトより早く本塁に達していた。鳴門はボールを三塁に送って「第3アウトの置き換え」をアピールする必要があった。済々黌は熊本県屈指の進学校。ナインは2年前からこのルールを頭に叩き込み、備えていた。池田満頼監督は「打てないから頭を使わんと勝てん。こんな1点の取り方もある」と喜んだ。

 「ドカベン」で描かれたのは夏の神奈川大会3回戦、明訓―白新戦だ。1死満塁から、スクイズの小飛球に飛び出した一塁走者の山田が戻れずにアウト。だが、三塁走者・岩鬼が3アウト目より前に本塁へ到達していた。白新側がアピールしなかったため、明訓は好投手・不知火から貴重な1点を奪った。

 当時、済々黌の2年生エースだったソフトバンク・大竹は、4安打9奪三振1失点(自責0)で完投勝利を挙げたが「みんな“ドカベンプレー”の話題で、僕は全然目立ちませんでした」と苦笑交じりに回想。この漫画の影響力を体感した。

【ドカベン“凄ワザ”集】
▽秘打白鳥の湖 殿馬一人が中学時代に披露した最初の秘打。バレリーナのように回転しながら打ち返す。弱点は悪球に対応できないこと。このほか「秘打花のワルツ」「秘打G線上のアリア」「秘打円舞曲別れ」など。

▽グリグリ打法 悪球しか打てない岩鬼正美が、度の強いグリグリ眼鏡をかけることで「悪球」にする必殺技。「大甲子園」では、眼鏡の下にコンタクトレンズを仕込んでおく進化型も。

▽通天閣打法 通天閣高校の坂田三吉の強烈なアッパースイング打法。高さ100メートルを超える内野飛球はスライスして落球を誘い、ランニング本塁打。17年春のセンバツで早実・清宮が東海大福岡戦で放った大飛球は外野手が目測を誤って三塁打となり、「通天閣打法のよう」と話題に。

▽両手投げ 中学時代に山田と同じ柔道部のわびすけ(木下次郎)が赤城山高校ではスイッチ投手に変身。両足でプレートを蹴り、右か左かで幻惑させた。大リーグでは、08年にレッドソックスのベンディットがスイッチ投手として登場。以降、投手は事前にどちらで投げるか申告するルールが設けられた。

▽ハエが止まった 打倒・明訓に闘志を燃やす白新高校の最速162キロ右腕・不知火守が、山田に投じた超遅球。ボールにハエが止まるシーンは有名。

▽背負い投げ投法 中学時代は柔道で山田のライバルだった影丸隼人はクリーンハイスクール高校で野球に転向。柔道の投げ技のように、遠心力を生かした投法。

▽砲丸投げ投法 甲府学院の賀間剛介がわしづかみで投じる重い球。マントの下に常にバーベルを持つ怪力で、プッシュバントで本塁打を放ったことも。

▽腕が伸びた 土佐丸高校の犬飼小次郎監督は山田対策で、左腕・犬神了を起用。ゴムでアンダーシャツを引っ張ることにより、左腕を長く見せる錯覚を狙った。犬飼のキャッチボール投法も有名。

▽八艘とび 弁慶高校の義経光は甲子園2回戦の明訓戦で同点の9回、完全にアウトのタイミングと思われたが、捕手・山田を相撲の八艘(はっそう)跳びのように越えてサヨナラ生還。山田はこれが高校時代唯一の敗戦となった。 

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