新人王いけるぞ!広島・森下 防御率2・40でリーグ3位再登場 7勝目逃すも巨人・戸郷とデッドヒート

[ 2020年9月20日 05:30 ]

セ・リーグ   広島3-2ヤクルト ( 2020年9月19日    神宮 )

<ヤ・広13>佐々岡監督(左)と球場を後にする広島・森下(撮影・吉田 剛)
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 広島は19日のヤクルト戦で、同点の延長10回に大盛穂外野手(24)の適時内野安打が決勝打となり、今季の延長戦初勝利となった。先発の森下暢仁投手(23)には勝敗つかず、新人王を争う巨人・戸郷の7勝に並べなかったが、7回2失点の好投。規定投球回に到達し、防御率2・40でリーグ3位に再登場した。

 自慢のスタミナは、自らの黒星を消し、延長10回の勝ち越しへとつながった。6回終了時点で森下の球数は100球を数えながら、1―2の7回もマウンドに上がり、3者凡退にして仕事を終えた。直後の8回に堂林が同点ソロ。新人の好投に応えようと打線が奮い立ったのだ。

 「自分が粘らないと逆転もない。その思いだけでした」

 失点は、1―0の2回に許した坂口の2ランのみ。外角を狙った直球が真ん中低めに入り、「逆球。自分がコントロールを間違っていなければ…」と悔やんだものの、これが唯一の失投だった。4回2死三塁でエスコバーを見逃し三振。5回1死二塁では浜田、青木を2者連続の空振り三振とするなど、要所でギアを入れ替えての9三振だった。

 7回2失点の好投でも「球数が多くなってしまった」と計111球を反省する。一方の佐々岡監督は「勝たせてやりたい思いもあって7回も行かせた。粘り強く投げてくれた」と合格点を与えた。今季12度目の先発で100球以下での降板は1度のみ。8回からの塹江、フランスアの継投に直接つないだことで、今季初の延長戦勝利につながった。

 勝敗はつかず、新人王を争う巨人・戸郷の7勝に並ぶことはかなわなかった。「勝ちがつけばいいな…とは思っていたけど、チームが勝てたことが一番。次につながればいい」。戸郷が直近3試合で白星なしと下降線に入った中、森下の状態の良さは際立つ。指揮官も「2桁も見えるだろうし白星を積み重ねてほしい」と、自身が届かなかった新人王へ背中を押す。

 大学4年間で慣れ親しんだ神宮球場でのプロ初登板だった。5回1失点の相手先発の吉田喜は、同学年で昨年の日米大学野球の際に宿舎で同部屋だった。「できれば勝ちたかったけど…。次も絶対にあると思うので、そのときに抑えたい」。先発の勝ち頭として堂々たる凱旋登板だった。 (河合 洋介)

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