履正社・関本主将「高校生全体の思いを背負って行進した」 昨夏優勝旗を聖地で返還

[ 2020年9月20日 05:30 ]

<優勝旗返還式>返還式で行進する関本主将ら履正社ナイン(撮影・坂田 高浩)
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 昨夏の第101回全国高校野球選手権大会で初優勝した履正社による優勝旗返還式が19日、甲子園球場で実施された。例年の優勝旗は翌年夏の開会式で返還。今夏の102回大会が新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止になったことで式典が代替開催された。

 部員や保護者らの他、招待された約620人の一般客が見守り、吹奏や合唱の中、部員20人が行進。第101回大会のダイジェスト映像などが放映され、秋の聖地にしばし夏の熱気が戻った。

 選手を代表してあいさつに立った関本勇輔主将(3年)は「100回練習したけど、途中でとびました」と照れ笑い。「僕たちだけじゃなくて、目標がなくなって悔しい思いをした高校生全体の思いを背負って行進した」と背筋を伸ばした。

 岡田龍生監督も「関本は見直しました。去年の状況が頭に浮かんで、ジーンとくるシーンばかり。今年も最後まで負けずに夏を終われて、選手たちはよくやってくれた」と感慨深そうにうなずいた。

【関本主将のあいさつ全文】
 本日はこのような特別な優勝旗返還式を開いていただき、本当にありがとうございます。優勝旗を持って行進している中で、昨年先輩方とここで優勝した瞬間を思い出しました。

 今年は世界的な感染症問題で全国の高校生の大会や行事が中止になりました。私たちは答えのない状況に苦しみ、目標を失ったこの気持ちをどこにぶつければよいのかとたくさん悩みました。その時に支えになってくれたのが、先生方や家族、そして共に目標に向けて頑張ってきたチームメートでした。その時、私は、野球ができているのは周りの方々の支えがあってのことだと感じました。

 さまざまな行事が中止になる中で、高校野球は関係者の方々のご尽力で地方の独自大会や甲子園交流試合を開催していただきました。この話を初めて聞いたとき、みんなと野球ができると思い、本当にうれしかったです。小さい頃から夢見てきた甲子園でプレーできたことは一生の財産となりました。日本高等学校野球連盟・全国の高校野球連盟の関係者の皆様には感謝してもしきれません。

 偉大な先輩方から受け継いだ優勝旗を甲子園球場で返すことができ、とてもうれしいです。来年はこの状況が少しでも良くなり、全国の高校生の大会が開催されることを願っています。

 本日は本当にありがとうございました。

 2020年9月19日
 履正社高等学校硬式野球部
 主将・関本勇輔

 《ドラフト会議を心待ち》元阪神の関本賢太郎氏(スポニチ評論家)を父に持つ勇輔主将は8月17日にプロ志望届を提出済みで、来月26日のドラフト会議へ向けた心境を明かした。「(天理から96年ドラフト2位でプロ入りした父に)早く追いつきたいというのは、小学校に入る前からずっと思っていた。自分も高卒で入るということにこだわっている。その夢をかなえられるように」。体づくりを中心にトレーニングを継続中で、運命の日を心待ちにした。

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