阪神・秋山 10年ぶり失策が全4失点に絡む自滅 チームも12球団ワーストの56失策、堅守巨人との差

[ 2020年9月20日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神1-4中日 ( 2020年9月19日    ナゴヤドーム )

<中・神(14)> 4回2死二、三塁、秋山は阿部に3ラン本塁打を浴び、マウンドに座り込む (撮影・平嶋 理子)                                                      
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 阪神・秋山拓巳投手(29)が19日の中日戦で自らの2失策が全4失点に直結する形で9試合ぶりの2敗目を喫した。新人だった10年の1失策のみだった守備でまさかの自滅。自身5連勝で止まった。政府の大規模イベントの入場制限が緩和され、プロ野球も上限5000人から収容人員50%になった節目の一戦。3連敗した巨人との差を詰める好機を逃した。

 記録上の自責点は0でも、秋山は4失点の全責任を背負った。4、7回に2度の一塁悪送球。新人だった10年以来、10年ぶりの失策が敗戦に直結する結果となった。

 「自分の2つのミスが失点につながってしまい、悔しいですし、チームに申し訳ないです」

 広報を通じての談話に悔しさがにじみ出ていた。まずは4回、2死一塁で高橋の投前へのゴロを自ら捕球し、一塁へワンバウンドの送球。ボーアが捕れず、チェンジのはずが、二、三塁へ窮地を広げた。高橋は決して俊足ではなく、焦る必要な全くなかったプレー。動揺が残っていたわけではあるまいが、続く阿部には4球目の直球を左翼席に放り込まれ、痛すぎる先制3ランを浴びた。

 さらなる痛手は7回だ。1死二塁から今度は平田の高く弾んだゴロを一塁へ悪送球し、ボールがファウルゾーンに転がる間に二塁から阿部が生還。制球力抜群の投球スタイル同様、送球の正確さにも定評があった右腕のまさかの2失策は、自身にもチームにも大きな誤算だった。

 7回を被安打5で無四球。投球内容そのものは悪くなかっただけに、余計に悔やまれる結果。矢野監督は「自分のミスで全得点に絡んでいる訳だから。調子自体は悪くなかったと思うけどね。あまりにももったいない」と表情を曇らせた。福原投手コーチも「ミスが失点になっている。取れるアウトはしっかり取っていかないと、こういう展開になる」と反省を促した。

 秋山に限らない。昨季は両リーグ最多の102失策を記録し、今季56失策も同様に球界ワーストを独走中。総失点に占める非自責点の割合(15・4%)は最も高い。両リーグ最少20失策を誇る巨人との一番顕著な差は、打力でも投手力でもなく、守備力だ。

 巨人が3連敗と足踏みしている中でミスミス落とした一戦。9・5ゲーム差を詰められず、逆に3位・DeNAに0・5差まで迫られた。残り43試合。逆転優勝には、たった1つのミスでも命取りになる覚悟で戦うことが求められる。 (山添 晴治)

 《非自責点48、56失策ともにリーグトップ》秋山(神)の失策は新人の10年10月1日広島戦4回の三塁悪送球以来10年ぶり2、3度目。阪神投手の1試合2失策は18年8月28日ヤクルト戦の岩貞以来2年ぶり。4回の3失点、7回の1失点、計4失点はすべて秋山の失策がなければ発生しなかったものとして、投手が責任を負う必要のない「非自責点」になった。今季チームの非自責点48は、56失策とともにリーグトップ。失点に対する割合もリーグで唯一2桁超えの15.4%を占める。また、非自責点3以上の試合は、6月20日巨人戦の7(失点11、自責点4)を筆頭に7試合はヤクルトの5試合を抑えてリーグ最多。チームは1勝6敗と、本来なかったはずの失点で勝利を逃している。

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