ソフトB・柳田 “倍返し”口火弾!「半沢直樹」テーマ曲に乗った自己最速20号

[ 2020年8月31日 05:30 ]

パ・リーグ   ソフトバンク8―5日本ハム ( 2020年8月30日    ペイペイD )

<ソ・日>初回1死一塁、2ランを放った柳田は(左から)高谷、中村晃と一緒にTVカメラに向かってポーズ(撮影・岡田 丈靖)
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 ギータ弾から、倍返しだ。ソフトバンクの柳田悠岐外野手(31)が30日、日本ハム戦の0―4の初回に20号2ランを放った。登場曲をこの日放送されたTBS日曜劇場「半沢直樹」のテーマ曲に変更。人気ドラマの勢いに乗って反撃の一発を浴びせ、8―5で逆転勝ちした。今季最多の8連勝で、日曜日も7連勝。2位・ロッテに3ゲーム差をつける独走態勢に入った。

 オーケストラによる重厚な演奏。大音量でペイペイドームに鳴り響くと、球場の空気が一変した。「半沢直樹」のテーマ曲。打席に入ったのは柳田だった。0―4。いきなりの劣勢にも、反撃の2ランで流れを変えた。

 「日曜に欠かさず見ている半沢があるので。それをモチベーションに集中して打てました」。登場曲の変更を単純明快に答えた。やられたら、やり返す。初回1死一塁。バーヘイゲンのツーシームを捉えた打球は左翼にせり出すホームランテラスのバーに当たり、スタンドへ着弾した。

 半沢直樹は世の悪に立ち向かい、正義を貫くバンカー(銀行員)。柳田は真ん中低めの155キロという剛速球に対し、立ち向かった。「丁寧に打てたし、芯に当たってくれた。相手投手の球が速いので、それを利用できた」。バットの芯で確実に捉えた。反発力を生かしたことで打球は伸び、逆方向に運べた。
 この一発から4点差を逆転し、スコアは8―5。まさに「倍返し」だった。柳田も「半沢効果」に喜びを隠せず「欠かさず見ているし、見られない時は録画している。最終回まで“半沢臭”を出す」と、今後も毎週日曜は半沢直樹のテーマ曲を使うことを明かした。

 チームは連勝を8に伸ばし、さらに日曜日も7連勝。半沢直樹が7月19日に始まってから不敗神話を続ける。工藤監督も人気ドラマをにおわせて喜んだ。「日曜日は勝率(通算7勝3敗)がいいですし、(点を)取られても最後まで取りにいっている。柳田君から雰囲気は変わったし、投打のバランスがいい」。柳田の日曜日の成績も、打率・394、5本塁打。半沢直樹が乗り移っている。

 2年ぶり4度目の20号は、62試合目の自己最速での到達だ。しかも、リーグトップの日本ハム・中田の目の前で1本差と迫った。「いやいや、ホームランバッターではないので。ヒットの延長と思ってやっていくだけ」。謙虚にそう話したが、人気ドラマのように話題を独占する。(井上 満夫)

 ≪62戦で到達 最多38本塁打ペース≫柳田(ソ)が20号2ラン。シーズン20本塁打以上は18年以来4度目になるが、チーム62試合目での20号到達は、17、18年の74試合目を抜く自己最速になった。なお、現在のペースなら、120試合の縮小シーズンながら最終38本塁打まで届く計算。18年に記録した自己ベストの36本を更新する勢いだがどうか。また、チームでシーズン20本塁打以上を4回は野村克也の18回を筆頭に、ジョーンズ、井口資仁に並ぶ7位タイ。

 ▽半沢直樹 直木賞作家・池井戸潤氏の小説「半沢直樹シリーズ」が原作のテレビドラマ。TBS系「日曜劇場」枠で放送中で、13年7~9月の第1作では平成で放送されたドラマで歴代最高(最終回42.2%=ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。半沢直樹の決めゼリフ「倍返し」は13年の新語・流行語大賞にも選ばれた。作曲家・服部隆之氏が手掛けたテーマ曲はオーケストラによる演奏で、インパクトのある重低音が頭から離れないという視聴者も多い。

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