カナダ政府がブルージェイズのトロント開催を却下 新本拠地はバファローか?

[ 2020年7月19日 09:19 ]

ブルージェイズの本拠地、トロントのロジャース・センター(AP)
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 カナダ移民・難民省のマルコ・メンデチーノ大臣(46)は18日、大リーグから求められていたブルージェイズのトロントでの試合開催を「多くの移動を要する」として承認しなかった。

 新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、カナダでは不要不急の入国の際には14日間の自己検疫を課しているが、大リーグは60試合制の短縮シーズンながら各球団の本拠地での試合を認めているため、ブルージェイズが所属するア・リーグ東地区では米国のニューヨーク州ニューヨーク(ヤンキース)、マサチューセッツ州ボストン(レッドソックス)、メリーランド州ボルティモア(オリオールズ)、フロリダ州タンパ(レイズ)での試合と移動が必要。トロントで試合を行うには複数回の検疫を行う必要があるため、大リーグ側はカナダ政府に“善処”を求めていた。

 しかし米国では新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからず、とくにレイズが本拠を置いているフロリダ州の状況は深刻。18日の感染判明者は1万328人で4日連続して1万人を超えている。しかも死者はこの日の90人を加えてついに5000人を突破(5002人)など、カナダ政府にとってもブルージェイズの自由な移動を認めるわけにはいかない状況となっていた。

 前巨人の山口俊投手(33)が入団したブルージェイズはキャンプをトロントの本拠地、ロジャース・センター(収容5万3000人)で再開させていたが、選手とスタッフは球場内にあるホテルに宿泊。外部との接触を可能な限りしないようにして練習を続けていた。

 しかしカナダ政府からの許可が下りなかったことで今月29日のホーム開幕戦(対ナショナルズ)はロジャース・センターでは開催不能。ブルージェイスはキャンプ地となっているフロリダ州ダニーデンにTDボールパーク(収容8500人)という球場を保有しているが、同州の感染状況を考慮すると使用するのは困難と見られている。

 現時点で“代替本拠地”として有力視されているのは傘下の3A、バファロー・バイソンズが米ニューヨーク州バファローで使用しているサーレン・フィールド(収容1万8000人)だが、現地を視察したマーク・シャパイロ球団社長(53)によればロッカールームや打撃練習場が狭く、ソーシャル・ディスタンシングの維持は難しい状況。また照明施設も不十分で、試合を開催するには複数の改善点を残していると伝えられている。

 なおトロントでは北米アイスホッケーリーグ(NHL)が8月1日からシーズンを再開させるが、NHLは同じカナダのエドモントンとの2都市開催。米国への移動はないために、カナダ政府は試合の実施を認めている。

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