西武・中村　読み勝ちV弾！「頭いっぱいにフォークがあった」

パ・リーグ   西武4―3楽天 （ 2020年7月18日    楽天生命 ）

＜楽・西＞6回1死、左越えに勝ち越しのソロ本塁打を放ち、ベンチの祝福を受ける中村（右）（撮影・吉田　剛）
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　フルカウント。かつて野村克也氏はその打者心理を「ストライクが来ると思い込み選球眼が狂い、スイングにも迷いが出る」と話した。だが、西武・中村は気持ちの整理がついていた。

　「頭の片隅どころか頭いっぱいにフォークがあった。球も落ちず、外に逃げる軌道が指にかかり内角に来て、うまく打てた」

　6回に山川の8号3ランで同点とし迎えた第3打席。初球カーブの後は4球連続でフォークが来た。6球目。塩見の129キロの甘いフォークを本塁打王6度のベテランは逃さなかった。凡退した1、2打席でも計6球中4球がフォーク。球種を絞り、通常と違う軌道を打ち抜いた決勝の左越え3号ソロだった。

　5日のオリックス戦で右手首に死球を受け、翌6日にはボールも投げられない状況。4試合先発から外れたが15日から先発復帰。今季初V打でチームを連勝に導き「右手首はもう大丈夫。山川の一発で勢いがついた。ヒーローは山川ですよ」と笑った。通算418本目のアーチは意地と経験が詰まっていた。（大木　穂高）

　≪「苦手」昨季塩見には5の0≫中村は塩見と今季初対決。昨季は5打数無安打3三振に封じられた。5打席で投じられた全25球の内訳を見ると、フォークが4割弱の9球と一番多かった。そのフォークが決め球だったのは5打席のうち3度で、内野ゴロ2つと三振だった。塩見とは昨季まで通算で49打数9安打、打率・184と苦手で、4本塁打9打点だった。

　▼楽天・塩見（5回2/3を9安打4失点で3敗目）調子は良かったけど、本塁打は失投です。失投をなくすのは基本中の基本なので。

　▼西武・山川（6回に左中間8号同点3ラン）打ったのは直球です。打った瞬間にホームランになると思いました。

　▼西武・松本（5回6安打3失点で今季初勝利）立ち上がりは前回の反省を生かせなかった。2回以降は気合を入れ直して打者に向かっていく姿勢を出せた。