日体大荏原の「ジョー」、ヒット量産4安打3打点 コールド発進に貢献 父はガーナ人元キックボクサー

[ 2020年7月19日 05:30 ]

東東京大会1回戦   日体大荏原27―0都南葛飾 ( 2020年7月18日    駒沢 )

<日体大荏原・南葛飾>2回1死二塁、左翼に適時三塁打を放つ日体大荏原・柴田丈(撮影・河野 光希)
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 各都道府県が独自に行う代替大会は18日、全国で370試合が行われ、首都圏の先陣を切って東東京が開幕した。ガーナ出身の父を持つ日体大荏原の柴田丈外野手(3年)は都南葛飾との1回戦に「4番・中堅」で出場し、4安打3打点。27―0の5回コールド勝ちに貢献した。藤井聡太棋聖(18)が通う注目の名古屋大付(愛知)は初戦で富田に5回コールドで敗れた。

 打つべし、打つべし。日体大荏原の「ジョー」はボクシングのジャブのようにバットを鋭く振り、ヒットを量産した。4安打3打点。27―0の5回コールド発進に貢献した。

 4番の柴田丈。人気漫画「あしたのジョー」の主人公・矢吹丈が名前の由来だ。父は、ガーナ人のサイラス・チャンポン・シークイクマさん(54)。キックボクシングの元日本王者だ。

 「初戦だから緊張したけど、3年生全体でいいスタートが切れた。でも4安打は結果的にだし、ミスショットもあった。上のレベルになれば甘い球は来ませんから」。東東京大会制覇という「王者」を目指し、おごることはない。15点を奪った2回には左越え適時三塁打と中前適時打を放ち、打者2巡、19人攻撃の主役になった。50メートル6秒1の俊足も飛ばし、2本の三塁打と二塁打を放った。

 父は現在、キックボクシングのトレーナーを務めているという。「あしたのジョー」なら丹下段平のようだが、柴田は父とは違う団体スポーツの魅力に取りつかれた。「以前はヒョロヒョロだったんですけど、体がしっかりしてきた」。03年夏に都雪谷を甲子園に導いた相原健志監督は頼もしそうな視線を送る。筋力トレーニングに励み、コロナ禍で自粛していた約3カ月間も鍛えた。体重は10キロ増え、1メートル89、84キロと凄みのある肉体となった。

 エースの宮下が右肘を骨折して投げられない。それでも、主砲はこう言った。「宮下も悔しい思いでしょうけど、僕らは全力を尽くします」。進路は大学進学を予定している。最後の夏。矢吹丈のように燃え尽きる。 (伊藤 幸男)

 《プロ注目腕宮下は右肘を疲労骨折》プロ注目のエース宮下大地(3年)は右肘を疲労骨折していたことが分かった。相原監督が「7月早々に骨折し、右肘にピンを入れる手術もしました」と明かした。同じ3年生の勇姿をスタンドから観戦。最速138キロを投げる1メートル80の長身右腕は大学に進学し、4年後のプロ入りを目指す。

 ◆柴田 丈(しばた・じょう)2002年(平14)6月5日生まれ、横浜市出身の18歳。野球は小3から始めた。母は日本人の柴田真希子さん(48)。外野手で遠投100メートルを超える強肩を誇る。1メートル89、84キロ。左投げ左打ち。

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