津商唯一の2年生・出口 7回2失点で強敵封じ、頭部死球も意識ハッキリ コールド快勝

[ 2020年7月19日 15:25 ]

2020三重県高等学校野球夏季大会   津商9―2津田学園(7回コールド) ( 2020年7月19日    四日市霞ケ浦 )

<津商・津田学園>頭部に投球を受け、担架で運ばれる津商先発の出口
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 ただ一人の2年生が勝利の原動力だった。津商先発・出口慶人投手が7回5安打、自責なしの2失点と好投。昨秋の東海大会進出に貢献した右腕が、昨年の甲子園大会に春夏連続出場した強敵を力で抑え込んだ。

 ベンチ入り25人で唯一の2年生。今大会は甲子園出場にはつながらないため、3年生を優先的にベンチ入りさせる学校もある。宮本健太朗監督(42)も様々な選択肢を考えた。だが選手とのミーティングを重ねるうちに「勝つために必要な戦力で行く。3年生もそれを望んでいる」と決断。勝利に欠かせない戦力として出口をメンバーに入れた。

 「スタンドにいる3年生の普段の振る舞い、姿…。それが出口に影響している。出口に結果を気にせず、思い切ってやらせられる環境作りをしたのは3年生。ベンチから外れた3年生が好投を生んだと思っている」

 38人の3年生部員のうち、メンバー外となった14人も心は一つ。監督も「ゲームに出ることが思い出づくりではない。3年間の集大成の場。勝った負けた。出られた出られなかったを含めて、私は思い出だと思う」と信念を貫いた。

 8―2の7回。先頭で打席に入った出口は投球を頭部に受け、担架で球場内の医務室へと運ばれた。幸いにも意識はハッキリとしており、病院に行くこともなかったが、想定外のアクシデント。8回以降、出口は投げられない状況で打線はつながった。出口の臨時代走で出場した大田悠翔外野手(3年)がコールド勝利を決めるホームイン。津商がまさに一丸となって初戦を突破した。

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2020年7月19日のニュース