ファンがつぶやいた「今は今でいい」…ウィズコロナで応援方法見つめ直すいい機会に

[ 2020年7月19日 09:00 ]

スタンドに観客が入った、ほっともっとフィールド神戸
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 プロ野球は、10日から観客を入れての試合が始まった。上限は5000人であるが、やはり、ファンが球場にいる光景は昨年までの「日常」を感じさせてくれた。

 記者は、ほっともっと神戸での巨人―ヤクルト戦を取材。試合前に1周してみたスタジアムには焼きそばや、たこ焼きのにおいが漂う。場内はついに訪れた「球夏」のワクワク感に満ちていた。

 その喜びの声を聞こうとファンを直撃。家族3人で訪れた巨人ファンの40代男性は「10試合分チケットを買っていましたが、開幕延期で全て払い戻して、新たに買いました。球場で見られてうれしい」と笑顔。東京から来場したヤクルトファンの40代男性も「プロ野球がない期間は退屈だった。私にとっては三度の飯を食べるようなもん」と声を弾ませた。加えて、この男性ファンは意外な意見も話してくれた。

 「落ち着いて見たいから、今は今でいいんですよね」

 現在、新型コロナウイルスの感染予防策で、大きな声援やハイタッチ、鳴り物などの応援は禁止。以前のような活気ある応援はまだできないが、かえってそれがいいという。

 「外野席で大きな声で応援をしてもらうのは全く構わないんですが、内野席では静かにじっくりと試合を見たいんですよね」

 ホームチームの打者が打席に入る前、大音量で登場曲が流れ、外野の応援団主導で応援歌を歌う。球場の盛り上がりには必要不可欠な要素だが、楽しみ方は人それぞれ。試合の駆け引きや真剣勝負、プロの技を堪能するのも乙。「昔はもっと静かに野球を見ていたと思うんですよね」と懐かしんでいた。

 「ウィズコロナ」の新しい生活様式が求められる今後。応援方法も見つめ直す、いい機会なのかもしれない。(記者コラム・青森 正宣)

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2020年7月19日のニュース