楽天・三木新監督 “直筆手紙”に込めた初陣への思い「自分たちを信じて戦っていこう」

[ 2020年6月19日 05:30 ]

野手陣の円陣で指示を出す三木監督(中央)(撮影・奥 調)
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 楽天の三木肇新監督(43)が就任1年目のシーズンの開幕に合わせて直筆の手紙をスポニチ本紙に寄せた。新型コロナウイルスの影響で前例のないシーズンが幕を開けるが、現場のトップとして選手たちへの感謝やチームを率いる覚悟がつづられている。この日、チームは初陣の舞台となる京セラドームで最終調整を行った。

 3カ月遅れの初陣を翌日に控え、三木監督は鋭い視線で選手の状態を最終チェックした。コロナ禍の現在では日常化したオンライン会見。「明日は特別な日になる。いろんな意味でドキドキしている。一言では表現できないですね」。パソコンの画面に向かい、現在の心境を口にした。

 チーム全員で苦難を乗り越え、待望の開幕を迎える。ただでさえ重圧がかかる就任1年目。ここまでの紆余(うよ)曲折を振り返りながら選手たちに伝えたい思いを直筆の手紙にしたためた。「この時代に同じチームで同じユニフォームを着て野球を一緒に出来ることを大変光栄であり誇りに思います」。イレギュラーな状況だからこそ生まれる一体感をチームの推進力にする。

 チームは3月31日から1、2軍ともに活動を休止し球団施設も閉鎖した。他球団の選手が球場で施設を利用して練習する一方、ナインは公園や河川敷、自宅のリビングなど限られた場所で体を動かすしかなかった。全ては感染防止のため。指揮官も自宅でキャンプやオープン戦を振り返りながら活動再開に向けプランを練り続けた。

 38日間の活動自粛を経て5月8日に球場施設での自主練習を再開させた。はつらつと体を動かす選手の姿を見て、調整不足の懸念は薄れた。手紙には「皆が持っている能力や大きな可能性にとても感心させられています」と記し「やり残したことが無い様に、しっかり進んでいこう」と呼び掛けた。故障者を出すことなく開幕を迎え、あとは最後まで戦い抜くだけ。会見では「始まったからにはファンの皆さんにいろいろなことを届けたい。勝ちにこだわって、チーム一丸となって戦っていく」と決意も語った。

 手紙の最後は力強く「さあ、いこう!!」の一言で締めくくった。言葉には魂が宿る。7年ぶりの頂点を目指し、「三木イーグルス」が船出する。 (重光 晋太郎)

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