阪神・矢野監督 特別なシーズン開幕「皆さんに楽しい野球をお見せします」

[ 2020年6月19日 05:30 ]

開幕を前に笑顔で練習を見守る矢野監督(撮影・大森 寛明)
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 新型コロナウイルスの影響で開幕が3月20日から大幅に延期されていたプロ野球は、19日に当面は無観客で国内主要スポーツの先陣を切って全国6球場で開幕する。35年ぶり日本一を公言してきた阪神・矢野燿大監督(51)はスローガンに掲げる「It’s 勝笑 Time!」の始まりを宣言。宿敵・巨人との激突を「1分の1」と位置づけ、特別な開幕に特別な思いを寄せた。

 「It’s 勝笑 Time!」の始まりだ。チーム全員で考案して決定した今年のスローガン。矢野監督が練習前に開幕前日としては異例の全体ミーティングを開いた。宿舎で約20分。熱い思いを言葉で伝えた。

 「始まるなというワクワク感が一番強い。練習前にはミーティングした。明日の試合前に伝えるよりも、1日前に自分の思いを伝えておきたいというのはある。思いの丈を選手に伝えてきた」

 昨季のリーグ3位からの日本一を約束。勝負の就任2年目は新型コロナウイルス感染拡大の影響で開幕が延期された。チーム内からは感染者を出し、活動停止、自宅待機、自主練習、集合練習を経てたどりついた決戦前日だ。開幕メンバーたちにチームスローガンの体現を強く求めた。

 「こういう状況で野球をできるわけだから。感謝の思いと。みんな苦しい思いをされている中で、苦しいことに挑戦するとか困難に笑顔で挑戦していくとか、そういうものを、俺らから姿として見せていく、発信していく。そういう年なんじゃないかなと」
 日本中に笑顔と勇気を届ける強い覚悟を示した。希望を与える使命こそが目指す野球の原点だった。

 「体現していくことで、こんなにみんな影響力を俺らは持てる存在なんだということを確認してもらいながらね。俺らがやることでこんな未来があるんだよっていうようなことで、トライしていってくれたらいい」

 いつものように“予祝”も忘れない。開幕戦の勝利の形を頭の中で描いた。

 「最後は球児が締めて、西が笑いながら投げて、いいところでチカ(近本)が走って、ボーアが打って、孝介(福留)がタイムリーを打って、パフォーマンスをいっぱいして、皆さんに楽しい野球をお見せします」

 特別な1年は巨人との伝統の一戦で始まる。120試合の初戦。「120分の1と考えてなくて、1分の1と思って戦おう!」と選手たちに伝えた。強調したのは、一戦必勝の積み重ねだ。「明日しかない。明日の試合を全力でいく」。歓喜のゴールへ、猛虎のショータイムがいよいよ幕を開ける。(山本 浩之)

 ≪もちろん勝負の赤パンツで挑む!≫開幕戦は、もちろん勝負パンツだ!! 矢野監督は「何か(ファンと)お互いつながっているという部分もあります。もちろん赤パンツで挑みたいなと思います」と予告した。昨季終盤は赤色のパンツを連日着用して6連勝で逆転3位でクライマックスシリーズへ進出。今月8日からは球団公式グッズとして「矢野燿大監督勝負パンツ」も発売された。特別な一戦だけに験担ぎにも念を入れた。

 ≪全体ミーティングYouTubeで公開≫練習前に開いた全体ミーティングの様子の一部をYouTubeの阪神タイガース公式チャンネルで18日夜に公開した。宿舎の一室に選手たちが集合。矢野監督が「楽しいことはもっと楽しく、苦しいことには笑顔で挑戦できたら、スゴいことになる。うれしいことは、どんどん表現してほしい」などと呼びかけ、「俺らの姿から日本中が変わる可能性がある」と訴えた。動画は8分弱で、異例の一般公開になった。

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2020年6月19日のニュース