阪神・西勇 虎エース自覚!笑顔封印 自主トレの“師匠”に投げ勝つ!

[ 2020年6月19日 05:30 ]

キャッチボールを終え合掌ポーズの西勇輝(撮影・大森 寛明)
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 阪神の西勇は球場入りするなりマウンドへ向かった。昨季10月13日のクライマックスシリーズ・ファイナルステージ以来の感覚を確認するためだ。キャッチボール後には再び戻り、軽い投球動作で土を踏みしめた。「嫌な感触はなかった」。オリックス時代の18年以来2度目、猛虎のエースとして初めて任された開幕投手の準備を終えた。

 「思うことは個人でいろいろあると思うけど、その中で一番パフォーマンスを出せる方法で戦えばいい。僕自身はそういうことは思わず淡々とやることが大事だと思っていますし、プレースタイルは変わらない」

 トレードマークの笑顔を封印し、緊張感を漂わせた。矢野監督らが打倒・巨人の機運を高め、昨年まで4年連続でオフの自主トレを共にした菅野との投げ合い。「いつも通り投げていけたら」と力むことはない。事前の準備を済ませた今、自然体で臨むことをベストだと信じていた。

 吉兆を体験した。前日17日に東京へ移動した際に「幸せの黄色い新幹線」と言われる『ドクターイエロー』に遭遇。その様子を「運が良い!」との言葉を添えてインスタグラムに投稿した。

 「チームみんなが見ましたし、そういうのも運だと思う。運だったり流れだったり、引き寄せられるものは引き寄せて、全部プラスに。マイナス要素はないと思うので。チーム一丸でしっかりやっていけたらいいかなと思っています」

 巨人には過去9度の先発で未勝利。待望の白星は、いままで取って置いたと思えばいい。超異例のシーズン。最高のスタートは西勇に託された。(巻木 周平)

 ▽西勇の開幕投手 オリックス時代の18年3月30日のソフトバンク戦(ヤフオクドーム)。プロ10年目で初の大役を務め、千賀と投げ合って7回まで4安打無失点の力投。8回1死満塁から柳田に左中間二塁打されて7回1/32失点で降板した。打線の援護は初回の1安打のみ。試合は0―2で終わり、敗戦投手になった。

 ≪FA移籍で開幕投手は2人目≫阪神にFA移籍して開幕投手を務めるのは、99年オフにオリックスから加入した星野伸之以来2人目。星野は加入した00年横浜戦で2回7安打5失点で勝敗は付かなかった。翌01年も巨人戦で大役を担い、2回4安打4失点で敗戦投手。

 外国人投手を除く移籍組の開幕投手は、07年広島戦で6回8安打2失点の敗戦投手だった下柳剛(02年オフに日本ハムからトレード)以来。移籍組開幕投手の勝利は79年広島戦(7回2/38安打4失点)の江本孟紀(75年オフ、南海からトレード)を最後にいない。

 西勇は昨季5度の先発を含めて巨人戦は通算9試合(すべて先発)で0勝4敗、防御率4・35。勝てば、初のG倒になり、12球団勝利の達成へ古巣のオリックスを残すだけになる。

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