先が見通せない新型コロナ禍…苦渋の延期決断も開幕日決定はより難しいものに

[ 2020年3月10日 08:16 ]

プロ野球開幕延期

<プロ野球12球団代表者会議>プロ野球12球団代表者会議に参加した(左奥から)パ・リーグの横田理事長、NPBの井原事務局長、斉藤コミッショナー、セ・リーグの三原理事長(撮影・西海健太郎)
Photo By スポニチ

 NPBからは専門家チームへ特効薬についての質問も飛んだ。環境整備以上に、開幕へは、世間での新型コロナウイルス感染症の「基本再生産数(1人の感染者から生じうる2次感染者数)」の減少が不可欠。斉藤コミッショナーは「薬がないと(基本再生産数が)収まっても不安定」とこぼす。

 専門家チームの舘田一博氏は「連日世界から新しい情報が入る。暖かくなれば消えていく感染症では恐らくない。半年、1年というタイムスパンで考える必要がある」と指摘する。終息に関して、先が全く見通せない。感染力の高さに加え、そこが最大の難点。無理に開催して球場で感染が拡大する事態になれば、プロ野球にとって計り知れないダメージとなる。延期は苦渋の決断。だが次の決断こそ、より難しいものとなる。12球団最優先の143試合通常開催にこだわった延期も限度がある。

 空白期間は練習試合などが行われる見込みだが、お茶の間からプロ野球が遠ざかるのは確か。専門家チームからは無観客で始め、段階的に入場者を増やす案も提示された。無観客試合に「最後の最後、ほとんどあり得ない選択」と斉藤コミッショナーは話すが、腹をくくらなければならない時期が今後、訪れるかもしれない。(NPB担当・後藤 茂樹)

続きを表示

2020年3月10日のニュース