中畑清氏 日本シリーズ権威保つためCS、交流戦中止やむなし

[ 2020年3月10日 09:00 ]

中畑清氏
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 【キヨシスタイル】新たな感染者が出続けている現状で延期はやむを得ないね。いつ開幕できるか見えないのがつらいけど、嘆いてばかりはいられない。

 プロ野球で最優先されるべき行事は何と言っても日本シリーズ。12球団の頂点を決める最高の舞台をどのようにして整えるか。

 今年は東京五輪期間中の中止期間(7月21日~8月13日)があり、日本シリーズは例年より遅く11月7日から予定されている。

 タイトなスケジュールの中で公式戦開幕が遅れれば、当然何かを犠牲にしなきゃいけない。私は一番に削除していいのはクライマックスシリーズ(CS)だと思う。

 2007年に導入されたCS制度。各リーグ3位まで日本一の可能性がある。消化試合が激減するという営業的なうまみも捨てがたいけど、ここを削れば2週間レギュラーシーズンに回せる。

 延期が長引いたら、CS期間だけじゃ補えなくなる。次に手を付けるのは5月26日~6月14日の交流戦期間だね。今年に限って交流戦は中止。代わりにリーグ内の対戦を25試合から1つ増やして26試合ずつにする。

 年間試合数は143から130に減るけど、53~62、66~96年に実施された試合数で、そのど真ん中にいた私たちにはしっくりくる。リーグ戦を130試合戦い、1位同士で日本一を争う。以前の形に戻すわけだ。

 もし仮に開幕が5月以降にずれ込んでも、日本シリーズの権威を保つために最低130試合は確保したい。逆算して130試合をぎりぎり確保できる時期にまず無観客で開幕するか、シリーズの時期をずらすか。

 現在のオープン戦。打球音や選手の肉声が聞こえて、テレビで楽しませてもらってる。シリーズが12月にかかれば、ポストシーズンの問題が出るかもしれないけど、プロ野球の危機だよ。選手会は柔軟に考えてもらいたい。

 CSも交流戦もスポンサーがついている。簡単にやめられないのは分かっている。でも、ここは「損して得とれ」じゃないかな。無観客でもファンはテレビで見たいと思ってる。目に見えない敵と戦う国難の時。みんなで知恵を出し合って、野球の力でぶつかっていこうじゃないの。(スポニチ本紙評論家・中畑 清)

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2020年3月10日のニュース