阪神・西勇、開幕延期も“スタイル”不変…どんな状況でも「自分の仕事を全う」

[ 2020年3月10日 05:30 ]

甲子園で笑顔で調整する阪神・西勇輝(撮影・大森 寛明)
Photo By スポニチ

 3月20日の開幕ヤクルト戦(神宮)に先発が決まっていた阪神・西勇輝投手(29)は9日、開幕延期決定前に取材に応じており、「変わらずやっていくことが大事だと思う」と話していた。その後、延期が決まったが、東日本大震災による開幕延期を経験している猛虎の頼れるエースは、その日に向けて着々と準備を進めていく。

 新たなシーズン開幕日は未定。3・20から逆算して調整してきた猛虎の開幕投手・西勇にとって難局と言える状況だが、延期が決定する前に頼もしい言葉を残していた。

 甲子園球場で行われた投手指名練習。キャッチボール、ランニングなどのメニューを消化し、クラブハウスに引き上げる前に取材に応じたのが午前11時前。まだ延期が決まっていなかったため、「誰も(ウイルスによる延期は)経験したことがないからわからないけど、変わらずにやることが大事だと思う。今は、20日に向けてやっていくしかない」と通常開催に向けて、泰然自若とした表情で意気込んでいた。

 約2時間後に延期が決定的である状況となり、その後、正式決定。当初の構想は崩れた。だが、いかなる状況でも「自分の仕事を全うする」という信念を貫いてきたのが西勇だ。プロ野球史上類を見ないほど不確定要素の多いシーズンになるとはいえ、自らコントロールできることに集中し態勢を整えるスタイルは変わらない。

 経験もある。オリックス入団3年目だった11年。3月11日に発生した東日本大震災を受けて同25日に予定されていた開幕戦が4月12日に延期された。変則的な調整を余儀なくされたが、開幕6戦目の楽天戦の先発マウンドで7回1失点で勝利投手になっている。10勝をあげて一流選手の階段をのぼりはじめた当時から9年。屈指の実績で、難局に立ち向かうチームをけん引してくれるだろう。

 日程の変更はあれど、開幕投手を任される方針は変わらないとみられる。いつか来るその日、“野球欲”に飢えた虎党のモヤモヤを晴らす、爽快な投球を見せてくれるはずだ。(巻木 周平)

続きを表示

2020年3月10日のニュース