イチロー引退「後悔なんてあろうはずがない」不滅の4367安打 背番「51」現役に別れ

[ 2019年3月22日 05:30 ]

ア・リーグ   マリナーズ5-4アスレチックス ( 2019年3月21日    東京D )

ファンの声援に応えるイチロー(撮影・森沢裕)
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 マリナーズのイチロー外野手(45)が21日、アスレチックスとの開幕第2戦終了後に現役引退を発表した。昨年5月にフロント入りした後、今年のキャンプで選手復帰したが、オープン戦から不振が続き、ついに決断。28年間のプロ野球人生最後の試合は4打数無安打だった。日米通算4367安打。日本人野手で初めてメジャーの扉を開き、数々の記録と記憶を残してきた不世出の大選手が、母国・日本でユニホームを脱いだ。

 「イチロー」の大合唱が聞こえる。扉の向こうで、ファンが待っている。試合終了から20分後、扉が開いた。イチローが再びファンの前に飛び出した。涙はない。三塁ベンチ前から左翼へ移動し、6分間をかけてグラウンドを一周。最後は帽子をとってファンに感謝の気持ちを伝えた。
 試合後の会見でイチローは「日本で9年、アメリカで19年目に突入したところなんですけど、今日限りで現役生活にピリオドを打ち、引退することを決めました」と語った。

 野球の神様がプレゼントしてくれた7年ぶりの日本での開幕カード。現役最後の打席は同点の8回2死二塁。1ボール2ストライクから2球連続ファウルで粘り、6球目の速球を叩いた。打球は遊ゴロ。45歳は微妙なタイミングで一塁を駆け抜けたが、メジャー3090安打目となる「H」のランプはともらなかった。

 オープン戦から不振が続き、24打席連続無安打で開幕に臨んだ。20日の開幕戦でも1打数無安打、この日も4打数無安打だった。春季キャンプの終盤に現役引退を決断した。「元々日本でプレーするところまでが契約上の予定。キャンプ終盤でも結果を残せず、それを覆せなかった」と明かした。「やっぱり一本ヒットを打ちたかった」と言いながらも表情は晴れやかだった。

 8回裏、右翼守備に一度就いた直後に交代となった。球場全体がスタンディングオベーションで包まれ、ベンチ前で出迎えてくれたナインと抱擁を交わした。菊池は涙を拭い、イチローを師匠と慕うゴードンの目から涙が流れた。ベンチではケン・グリフィー氏とも抱擁。試合が止まった。4分23秒。「今日の球場での出来事、あんなものを見せられて、後悔なんてあろうはずがありません」。試合後も、カーテンコールで大勢のファンが待ってくれていた。

 昨年5月に会長付特別補佐としてフロント入りした後、今年のキャンプで選手復帰した。通算4367安打は、日米合計でメジャー最多のピート・ローズ(4256本)を上回るが「去年の5月からシーズン最後の日まで、あの日々はひょっとしたら誰にもできないかな。どの記録よりも自分の中では、ほんの少しだけ、誇りなことかな」と笑った。

 試合後、チームのチャーター機には乗らず、東京ドームでチームメートと別れた。マ軍は本拠地シアトルでの「引退セレモニー」を計画中。イチローは近日中に「米国の故郷」ともいえるシアトルに渡る。国境を超え、世界中の人々に勇気と感動を与えた濃密な野球人生は28年で幕を閉じた。「時代」を駆け抜けた背番号51は平成の終わりとともに、ユニホームにも別れを告げた。

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