イチ支えた2人の恩師 仰木監督と三輪田スカウト オリックスでの成功後押し

[ 2019年3月22日 07:05 ]

イチロー現役引退表明

1994年、オリックス監督の仰木氏(右)とイチロー
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 イチローには2人の恩人がいる。オリックス時代に監督だった仰木彬氏、もう一人は同球団でスカウトを務めた三輪田勝利氏(ともに故人)だ。

 仰木氏はプロ3年目でレギュラーに抜てきした。型にはめない指導哲学と独特の「振り子打法」でチャンスを与え、プロ野球史上初のシーズン200安打を放ち、社会現象にもなったイチローの活躍を後押しした。

 94年の序盤、大敗した後のバスの中での出来事だった。静かに下を向いていたイチローに「今日は二塁打を打った。おまえはそれでいい。勝ち負けは監督が責任を取る。選手は自分のやることをやればいい」と諭した。プロの責任とは何かを教えられた。

 三輪田氏は愛工大名電時代に、抜群の打撃センスを見いだした。細身で、スカウトの評価ではプロで通用するか疑問視する声も多かった。三輪田氏は無名の選手を球団に強く推した。その眼力がなければ、その後の日米での活躍はなかった。

 悩みや将来の良き相談相手となってもらい、大リーグ挑戦の志を最初に伝えた。ドラフト会議を巡るトラブルに巻き込まれる形で命を絶った恩人の墓前にイチローはオフには必ず花を供えている。

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