ダル日米通算150勝!移籍8戦目初勝利「やっとスタート」

[ 2018年5月22日 05:30 ]

ナ・リーグ   カブス6―1レッズ ( 2018年5月20日    シンシナティ )

レッズ戦の5回、ボットを遊ゴロ併殺に打ち取り、雄たけびを上げるカブスのダルビッシュ
Photo By 共同

 カブスのダルビッシュ有投手(31)が20日(日本時間21日)、レッズ戦で6回を2安打1失点、7奪三振と好投し、今季8試合目の登板で初勝利を挙げた。同時に日米通算150勝(日93、米57)もクリア。15年の右肘のじん帯再建手術(通称トミー・ジョン手術)を経て、2リーグ制以降の日本選手では3番目のスピードで大台到達を果たした。

 初回とは別人だった。ダルビッシュは直球で押した。2回以降の55球中、42球と実に76%。レッズ打線は直球と分かっていても空振りや凡打を重ねた。

 「やっとスタートしたのかなという感じ。今日の真っすぐを投げられていれば、基本、スライダーがいらないかな、というくらい」。39球を要した初回、ツーシームを含めた速球系は約半分の19球。ツーシームを封印し、直球を大胆に増やした2回以降は無安打だ。最速は96マイル(約154キロ)。直球だけで10個の空振りを奪った。

 15年の右肘手術の後、好調時のフォームを取り戻すための試行錯誤は続いている。スマホには「自分の投げている写真がメチャクチャある」。ここ2年はスライダーが満足いくものではなく、映像をひたすら比較した。見つけた解決の糸口は、下半身の使い方。故障者リストに入っていた今月上旬、集中して修正に取り組み、直球やスライダーの回転数が大幅に上がった。

 6年契約で加入し、これまで未勝利。地元メディアで批判されても動じることはなかった。「他人が評価するのは仕方がない。でもやっているのは僕。手を抜いての結果だったら自分に対して怒るだろうけど100%でいっての悪い結果だったら仕方ない」。冷静に自分と向き合った。

 今後は日米通算200勝への期待がかかるが、あくまで世界一を目標に定め「そういうのは引退してから」と言い切る。ただ、自身が唯一、こだわっている数字があると明かした。「一人だけ抜きたい人がいるので、あと16勝したい」。166勝すれば日本ハム時代の恩師・佐藤義則投手コーチ(現楽天)の白星を一つ上回る。「(誰かは)内緒です。抜いてから絶対に言ってやろうと」と、あくまで名前は伏せつつ、いたずらっぽく笑った。

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2018年5月22日のニュース