岩隈の義父 広橋元楽天コーチが語る素顔「普段は子煩悩なパパ」

[ 2015年8月14日 08:10 ]

05年の春季キャンプ休日にゴルフを楽しむ岩隈(右)と義父・広橋氏

ア・リーグ マリナーズ3―0オリオールズ

(8月12日 シアトル)
 岩隈の妻、まどかさんの父で、西武などで活躍し、引退後は西武や楽天でコーチを務めた広橋公寿氏(58=現楽天リトルシニア総監督)は義理の息子を応援するため、現地のシアトルに足を運んでいた。岩隈が楽天に在籍した05年から7年間はコーチ、選手として、ともに戦った間柄。偉業達成の瞬間を、ネット裏で見届けた義父がスポニチ本紙に祝福のメッセージを寄せた。

 ネット裏で観戦していて、本当にびっくりした。9回になると声援が一層凄くなって、観客全員がスタンディングオベーション。1球ごとに「ワー」と歓声が上がり、ノーヒットノーランの瞬間は周りの人たちとハイタッチで喜び合った。本人も言っていたけど、球場が後押ししてくれた気がする。直接見ることができて私もうれしい。

 試合後、通路で待っていると、アイシング中の本人が来て、記念撮影をした。チームメートもスタッフも皆が「コングラッチュレーション!」とお祝いの言葉を掛けてくれて本当にありがたい。

 試合は立ち上がり、少し荒れているかなと感じたが、ボールに力があった。真っすぐとスライダーが良くて、6回にまだノーヒットだなと気付いた。四球は3つあったけど、どれも微妙なところ。日本でのジャッジならストライクかな?というぐらい、コントロールも良かった。

 楽天リトルシニアの練習がちょうど、お盆休みに入ったので、妻たちと11日に日本を出発した。アメリカに着いて、最初に見た試合でノーヒットノーラン。私たちが幸運を持ってきたのかなと思ってしまうぐらい。去年もこの時期に川崎が所属するブルージェイズ戦を見に行った。その時も7回途中まで無失点で勝ち投手。私が見に行った試合は、まだ点を取られたことがない。

 普段はとても子煩悩なパパ。子供を凄く愛している。帰宅すると、庭で小学1年になる息子相手にボールを投げて野球をして遊んでいる。だから、遠征に出掛ける時は、子供が「パパがいなくなる」と泣くぐらい。本当に家族を愛していて、私たちがアメリカに行くと毎回、空港まで迎えに来てくれる。それぐらい優しくて、怒ったところを見たことがない。

 今年はケガがあったけれど、その分、家族と過ごす時間が増えた。子供と遊んだり、バーベキューをしたり、ケガで気分がモヤモヤする中、家族のおかげで気分転換できて復帰した時は「よし、頑張るぞ」とリフレッシュになったんだと思う。

 ノーヒットノーランでメジャーリーグに名を残した。これからも、それにふさわしい活躍をしてほしいね。長く、ケガなく、最後の最後まで自分の野球人生を全うしてほしい。(東北楽天リトルシニア総監督)

 ▽広橋 公寿(ひろはし・こうじゅ)1957年(昭32)1月11日、福岡県生まれの58歳。東海大五から八幡大(現九州国際大)、東芝を経て81年にドラフト外で西武入団。内・外野を守るユーティリティープレーヤーとして活躍し、中日、ダイエー(現ソフトバンク)でもプレー。91年に現役引退。通算569試合で打率.271、14本塁打、96打点。95年から西武、05年からは楽天で打撃コーチなどを務め、現在は楽天のジュニア組織「楽天リトルシニア」の総監督。

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