楽天・戸村 岩隈師匠に続いた6勝目「弟子も負けていられない」

[ 2015年8月14日 05:30 ]

<楽・ロ>お立ち台で後藤(右)とバーンポーズを取る戸村

パ・リーグ 楽天4-1ロッテ

(8月13日 コボスタ宮城)
 ピンチを背負っても心は乱れない。楽天・戸村は自分を信じ、ボールをコントロールした。0―0の4回無死一、三塁。クルーズへの初球、内角にシュートを投げ、捕邪飛に仕留めた。続く大松には外角低めに3球続けて直球を投じ、二ゴロ併殺。右拳を握り締めた。

 「師匠が頑張っていたので、弟子も負けていられなかった。勝ちが付いてよかった」。7回6安打無失点でチームトップタイの6勝目を挙げた。

 元同僚で先輩のマリナーズ・岩隈が、オリオールズ戦でノーヒットノーランを達成した。13年から弟子入りし、合同自主トレを行う間柄。この日の朝、すぐに祝福メールを送り「僕も続きます」とつづると、岩隈から「自分ができることを信じてやってくれ。結果を残せるように頑張って」などと書かれた長文の激励の返信が届いた。「朝から心強くなった」とパワーをもらった。

 今年1月の米ロサンゼルスでの自主トレ中に、岩隈からもらった言葉を大事にしている。「メンタルをコントロールできたら、ボールもコントロールできる」――。授かった金言通りに無四球投球。低めに球を集め、身上のゴロを打たせて取る投球を見せた。21個のアウトのうち、犠打も含めて10アウトが内野ゴロ。師匠の投球に似ていた。

 09年のドラフト1位で入団。期待されながらも昨季までわずか7勝と伸び悩んだが、6年目の今季は自己最多の勝ち星を挙げている。試合後、戸村は「師匠に“勝ちました”とメールを入れておきます」と満面の笑みを浮かべた。1メートル85、76キロ。岩隈と同じ細身の長身右腕は姿だけではなく、投球術も師匠に近づいた。 (徳原 麗奈)

 ▼楽天・後藤(4回に先制の右越え8号ソロ)どちらに転ぶか分からない中、先制できたのは大きい。

 ▼楽天・松井裕(9回1死一塁から登板し、25セーブ目)自分が出した走者のつもりで、気持ちを入れていった。

 ◆戸村 健次(とむら・けんじ)1987年(昭62)10月20日、埼玉県生まれの27歳。立教新座で野手から投手に転向し、1年春からベンチ入り。エースとなった2年夏は埼玉大会5回戦に進出も、3年夏は初戦敗退で甲子園出場なし。立大では1年春にリーグ戦デビューし、通算10勝。09年ドラフト1位で楽天に入団。右投げ右打ち。1メートル85、76キロ。

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