美馬 新ポストシーズン男だ CSロッテ完封に続きG倒

[ 2013年10月30日 06:00 ]

<巨・楽>6回2死、阿部の打球を足に受ける美馬

日本シリーズ第3戦 楽天5―1巨人

(10月29日 東京D)
 またまた大仕事をやってのけた。楽天・美馬が巨人打線を6回途中まで無失点の快投。試合後、東京ドームの通路で大勢の報道陣に囲まれると、女房役・嶋の好リードに感謝した。

 「嶋さんが“俺が責任を持つ”というジェスチャーをしてくれて心強かった。投げやすくて思い通りに投げられた」

 ポストシーズン男だ。19日のロッテとのCSファイナルS第3戦(Kスタ宮城)では、9回を4安打に封じ、プロ初完封。そのウイニングボールは自宅で大切に保管している。球団初の日本シリーズ進出の原動力となり、祝福のメールは100通以上届いた。それでも、すぐに気持ちを切り替えた。CS突破を決めた翌日の22日。Kスタ宮城で朝から田中とともに休日返上で汗を流した。

 雪辱を誓ったマウンドだった。5月23日の巨人戦(Kスタ宮城)は右肘痛の影響もあり、1回6失点、わずか24球で降板。「そのままのイメージで終わりたくない。借りを返したい」。心は熱く、頭は冷静だった。「カーブを効果的に使えた」と緩いカーブを織り交ぜ、140キロを超える直球とシュートで厳しく内角を突いた。カーブは84球中、約23%を占める19球。緩急を駆使し、宣言通り巨人打線に借りを返した。

 だが、突然のアクシデントが襲った。6回2死。阿部の痛烈なライナーが右足甲に直撃。「当たった瞬間“やばい!”と思った。あの状況ではもう投げられないと思った」と無念の降板となった。それでも、5回2/3を4安打無失点で則本、田中に続いてしっかりと先発の役目を果たし「1、2戦目で2人が抑えてくれて、(巨人打線を)勢いづけなかったのが良かった」と話した。

 これで2勝1敗と王者・巨人を一歩リードした。幸いにも打球が当たった右足は軽症の見込み。第7戦までもつれ込めば再び出番も予想される。美馬は右足を引きずりながらも、胸を張って病院へ向かった。

 ◆美馬 学(みま・まなぶ)1986年(昭61)9月19日、茨城県生まれの27歳。藤代2年時にセンバツに出場し3回戦敗退。中大4年春は2部優勝でMVPに輝く。東京ガスでは08、09年の都市対抗8強。10年ドラフト2位で楽天入りし、昨季は田中に次ぐ8勝を挙げた。通算64試合登板で16勝16敗0セーブ、防御率3・45。1メートル69、75キロ。右投げ左打ち。

 ≪先発が3戦全て自責2以下≫美馬(楽)が5回2/3を無失点に抑え勝利投手。これで、楽天の先発陣は第1戦から則本8回自責2、田中9回自責1と、全て責任投球回以上を自責2以下で乗り切った。日本シリーズで、初戦から3戦続けて先発投手が5回以上自責2以下に抑えたのは、11年の中日とソフトバンク以来延べ10チーム目。うち、今回のように3試合ともシリーズ初登板の投手で記録したのは51年巨人、54年中日、05年ロッテに次ぎ4チーム目になった。なお、前記3球団は全て日本一に輝いているが楽天も続けるか。

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