【野球のツボ】さあ阪神秋季キャンプ 鉄壁内野への第一歩を

[ 2013年10月30日 13:05 ]

来季の阪神1軍内野守備走塁コーチを務める高代氏

 11月1日から、阪神の秋季キャンプがスタートする。1軍内野守備走塁コーチとして、チーム強化に取り組む第一歩がこの秋季キャンプということになる。外から阪神というチームのことは見てきたが、中に入れなければ分からないことはいろいろある。ましてや初めてのチーム。和田監督の方針も確認しながら、まずはいろんな角度から選手を見て、気がついた点をチェックしていきたいと思っている。

 春のキャンプに比べて、秋は注目度も低いのだが、若手を成長させるという意味で、秋は重要だと私は信じている。まずは、シーズンを終えたばかりで体が出来上がっている。ここが大事だ。すぐに技術的なことに取り組むことができる。若手は成長のスピードも速い。ひとつのきっかけでメキメキと力をつけてくることがある。そこが秋季キャンプのやりがいだと感じている。

 また、春はどうしても開幕から逆算した上での調整が主になり、コンディション作り、補強した新外国人選手とのコンビネーションなど、鍛える前に、やらねばならないことがいっぱい出てくる。それに比べても、秋はガンガン追い込むことが可能。「このくらいの練習についていけないなら去れ」とガツンと言えるのも、この時期だ。

 新任コーチとしては、まず秋季キャンプ参加選手の力を把握するとともに、彼らの野球に対する考え方も知りたいと思っている。ゴロを捕るにしても、どんなイメージを持って、体を使おうとしているのか。そこはひとつのポイントだ。

 選手の理解が進むような分かりやすい指導も心がけ、絞り上げるときには絞りながら、来年の1軍戦力として楽しみな選手をピックアップしていきたい。「阪神がちょっと変わってきたな」といい方向に見られるような秋季キャンプにしていきたい。

 具体名を挙げるとすれば、まず上本。そして、以前にもこのコラムで「打撃はピカイチ。これを何とか生かしたい」と書いた今成だ。さらにキャンプでアピールしてくる者を加えた3人ほどを、レギュラーに近い戦力に出来れば、底上げにつながる。目指すのは鉄壁の内野陣。ドラフトでは即戦力の内野手は指名しなかった。余計に現有戦力のレベルアップがカギを握る。実りの秋となることを、私自身も楽しみにしている。(阪神内野守備走塁コーチ)

 ◆高代 延博(たかしろ・のぶひろ)1954年5月27日生まれ、58歳。奈良県出身。智弁学園-法大-東芝-日本ハム-広島。引退後は広島、日本ハム、ロッテ、中日、韓国ハンファ、オリックスでコーチ。WBCでは09年、13年と2大会連続でコーチを務めた。来季から阪神一軍内野守備走塁コーチを務める。

続きを表示

2013年10月30日のニュース