ボートレーサー平川香織から同級生・樋口新葉へ「行きたくても行けない舞台。楽しんで」

[ 2022年2月15日 05:30 ]

樋口にエールを送るボートレーサーの平川香織
Photo By スポニチ

 北京五輪フィギュアスケート女子ショートプログラム(SP)は15日に行われる。SP、フリーで大技トリプルアクセルに挑む樋口新葉(わかば、21=明大)の活躍を心待ちにするボートレーサーがいる。東京・開智日本橋学園中、高でクラスメートだった平川香織(21)だ。会心の演技で五輪切符を獲得した昨年12月の全日本選手権のフリーを見て、刺激をもらったという。

 「新葉が頑張っているのを見て、私も頑張らないといけないと思いました。言葉では表現できないけれど、本当に感動しました。4年の思いが新葉の涙から伝わった」と振り返る。

 お互いのツイッターをフォローして近況を確認し合う。「全日本が終わった後“凄い感動した”と連絡したら“ありがとう”と返信が来ました。お互い忙しいですし、会えないので、LINEギフトでスタバ1000円分送ったら喜んでくれました(笑い)」と語る。

 16年までフィギュアスケーターで、ボートレーサーに転向。練習拠点のリンクが違ったが、幼い頃には同じリンクで練習していた時期もある。だからこそ、大技トリプルアクセルを習得した樋口の凄さが分かる。「トリプルアクセルは、まず女子でやろうと思わない。その度胸がないといけないですし、もちろんセンスも必要。練習してできるものではないです」と語る。

 平川自身も名将・都筑章一郎コーチの元でチャレンジした過去がある。全国の有力選手を集めた野辺山合宿では補助器具ハーネスをつけて挑んだ。「ダブルに1回転つけただけ、と助言いただきましたが、どこまで回るか分からない。怖さもあるし、ケガの危険性も高かった」。その難しさを肌で感じている。

 ロシアでは若い世代が4回転ジャンプを跳ぶ。「本当にフィギュアは10代前半がピークなのかなと思います。女性らしくなってからジャンプをつくれるわけではない。覚悟と努力が必要。新葉はいろんなものを捨ててでも、フィギュアで五輪に出たかったんだろうなと思います」。友人の強い思いを尊敬している。

 自身はボートレーサーとしての飛躍を目指している。違う道を歩んだが、ともに努力した日々は色あせることはない。「プレッシャーは本当にあると思うけど、楽しんできてほしいです。行きたくても行けない舞台。五輪に行くまでつらいことがたくさんあったと思う。本人が楽しんでいるような演技が見たいです」とエールを送った。

 ◇平川 香織(ひらかわ・かおり)2000年(平12)7月29日生まれ、東京都出身の21歳。埼玉支部所属の122期生として18年5月戸田一般戦でデビュー。19年8月からつ一般戦で初1着。同期は畑田汰一、安河内健、計盛光ら。1メートル51、46キロ。血液型B。

続きを表示

2022年2月15日のニュース