鬼塚雅は11位 1回目転倒で流血、顔面腫らしながらも…魂の大技挑戦「メダルとるには必要だった」

[ 2022年2月15日 12:01 ]

北京冬季五輪第12日 スノーボード女子ビッグエア決勝 ( 2021年2月15日    首鋼ビッグエア競技場 )

<北京五輪 ビッグエア女子決勝>1回目の試技をする鬼塚雅(撮影・小海途 良幹)
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 女子決勝が15日、行われ、鬼塚雅(23=星野リゾート)は11位だった。

 鬼塚は1回目でキャブ1260に挑んだが、着地でバランスを崩し、体ごと地面にたたきつけられた。しばらく起き上がれず、痛みで顔をゆがめた。駆けつけたスタッフに抱えられながらコースから退いた。顔面を流血したが止血処置を施して2回目へ向かい、再びキャブダブルコーク1260に挑戦した。3回目はフロントサイドのダブルコーク1080にトライ。着地でバランスを崩し、合計点は65・25点だった。

 インタビューでは上唇が腫れ、鼻の下にばんそうこうを貼った痛々しい姿。恐怖心を抱えながらも3回目まで通し「ずっと練習してきた1260は着地できなかったことは残念だけど、五輪でジャンプ挑戦することができて幸せでした」。大技への挑戦は「メダルとるには必要かなと思って挑戦しました。4年間、しっかり練習してきたことは変わらない。4年間無駄じゃなかった。五輪は…もっと成長しなきゃいけないと思います」と振り返った。

 メダル候補の一人として期待された18年平昌五輪は8位と惨敗。当初は「次は目指すか分からない」とすぐに北京へ切り替えられなかったが、新技への挑戦をモチベーションに成長を続け、21年1月に開催されたXゲームのビッグエアで、逆スタンスから斜め軸に縦2回転、横3回転半する「キャブダブルコーク1260」を女子では実戦初成功するなど研さんを積んでいた。

 ◆鬼塚 雅(おにつか・みやび)1998年(平10)10月12日生まれ、熊本市出身の23歳。5歳でスノーボードを始め、7歳でスノーボード用品最大手の「バートン」と契約。世界選手権では15年スロープスタイル優勝。熊本・ルーテル学院高出-早大。1メートル58、47キロ。

 ▽ビッグエア(BA) 高さ30~40メートル、斜度20度以上の台から約70メートルの助走を滑り降り、1回のジャンプ技で競う。技の難易度や大きさ、出来栄え、着地の安定性などで採点される。五輪は18年平昌大会から正式種目として採用され、日本女子は岩渕が4位、藤森由香が7位、鬼塚は8位だった。

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