スピードスケート女子団体追い抜き準決勝 午後3時30分開始 日本連覇へ ハイブリッド戦術

[ 2022年2月15日 13:14 ]

スピードスケート女子団体追い抜きの右から高木菜那、高木美帆、佐藤綾乃(AP)
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 スピードスケート女子団体追い抜きは15日午後2時30分(日本時間午後3時30分)から準決勝、午後4時22分(同午後5時22分)から3位決定戦、決勝が行われる。連覇を目指す日本は準決勝でROCと対戦。12日の中国との1回戦は4年前の金メダルタイムでもある五輪新記録を0秒28更新した。先頭交代を3回する従来の形に“プッシュ”を導入するハイブリッド型の戦術で頂点を目指す。

 消耗を軽減できる一方で、隊列が乱れて減速する先頭交代の回数を減らすのが世界のトレンド。今大会は先頭交代を行わないチームも出てきた。代わりに後方の選手が前方の選手のお尻を押しながら滑る“プッシュ”を導入する国が目立つ。後方からのアシストで先頭の消耗を最小限にする新戦術だ。

 日本も18年平昌五輪後は最善の戦術を模索してきた。風洞実験などで科学的データを集め、先頭交代時の空気抵抗を分析。隊列を組む3人の滑る軌道を映像で記録し、どのルート、どのタイミングで選手が入れ替われば減速を最小限に抑えられるかを割り出した。

 1年前の全日本選抜長野大会では1度も先頭を替えない戦術をテスト。今季W杯では交代を1回に抑える戦い方を試した。結果は2位、8位、2位。第2戦は世界記録ペースでラップを刻んだが、4周を引っ張り消耗した高木菜がラスト1周で転倒した。

 日本は減速を最小限に抑えて先頭交代できるのが強みで、他国に比べて交代を減らす利点は少ない。W杯でカナダに3戦全勝を許し、1月の国内合宿中にミーティングを実施。各戦術のメリット、デメリットを検証し、4年前と同じ先頭交代で戦うことを決めた。

 12日の1回戦は高木美―佐藤―高木菜―高木美の順番で先頭を入れ替え、終盤は“プッシュ”も活用するハイブリッド型の戦術を披露。14日の練習後にヨハン・デビット・コーチは「戦術は同じ。何も起きなければメンバーも変えない」と明言した。世界のトレンドに左右されず、最も自信を持つ戦い方で選手をリンクへ送り出す。

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2022年2月15日のニュース