羽生 僕にとっての挑戦が4回転半や五輪 ただ、それだけだった

[ 2022年2月15日 05:30 ]

練習する羽生結弦(撮影・小海途 良幹)
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 【羽生に聞く】

 ――演技から4日が経過して、今日リンクに立った理由。立った感情は。

 「本当は滑っちゃいけない期間だったんですけど。どうしても滑りたいなって思って、滑らせていただきました。これからちょっと練習するとは思います。スケートのことを本当に嫌いになることはたくさんありますし、フィギュアスケートってなんだろうって、よく思いますし、僕自身が目指しているものがフィギュアスケートなのかなっていうことも、いろんなことを考えます。ただ、今日滑って、今まで習ってきたこととか、ちっちゃい頃にやっていたこととか、スケーティングに関していろいろやってみて、うまくなったなあって思ったり。それが、凄く楽しかったり、それを見ていただくのが、本当に気持ち良かったり。やっぱり、僕は僕のフィギュアスケートが好きだなって思えた今日の練習だったと思います」

 ――挑戦した五輪の演技を冷静に振り返って。

 「SPは、はっきり言って凄く満足してます。最初のジャンプミスをしてしまったり、何かしらトラブルがあったり。(靴が穴に)ガコッてなることは、たまにある。その中でも、その後、崩れずにちゃんと世界観を大切にしながら表現したいことプラス、良いジャンプを跳べたっていうことは凄く満足している。フリーは、もちろんサルコージャンプをミスしてしまったのは悔しいですし、アクセルもできれば降りたかったなって正直思いますけど。うーん。上杉謙信っていうか、自分が目指してた『天と地と』という物語というか、自分の生きざまっていうか。それにふさわしい演技だったんじゃないかなって思うんです」

 ――五輪2連覇の王者を背負ってきた。

 「とても重かったし、でも、とても重かったからこそ、自分が目指しているフィギュアスケートというものと、自分が目指してる4Aというものを常に探求できたなと思ってます。まずソチオリンピックで優勝していなかったら、報道の数も違ったと思いますし。そこで、羽生結弦っていうスケーターがいるんだって。『パリの散歩道』とか『ロミオとジュリエット』とか、そういう演技を見ていただいて、あ、こんなスケーターいるんだって注目していただけるきっかけにもなったし、それから応援してくださる方もたくさんいたと思います。そして、平昌オリンピックで『SEIMEI』と『バラード第1番』をやって、それでまた、やっぱ羽生うまいじゃんとか、羽生選手これからも応援したいなとか、そうやって思ってくださる方もたくさんいらっしゃって。だからこそ、今があるんだと思ってます」

 ――守るのでなく王者として攻める。自身にとって挑戦とは?

 「きっと僕だけが特別だとは全然、思っていなくて。みんな生活で何かしら挑戦しているんだと思います。それが生きることだったり。守ることも挑戦なんだと思います。守ることって難しいことだと思いますし。大変なんですよ、守るって。家族を守ることも大変だし、何かしらの犠牲や時間が必要。何一つ挑戦じゃないことなんて存在しない。それが僕にとって4回転半や五輪につながっていた。ただ、それだけだったと思います」

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