渡部暁斗 コース間違えたリーベルは「行く気ないって感じた」 レース展開恵まれず「最後は執念でした」

[ 2022年2月15日 22:20 ]

北京五輪ノルディック複合男子個人ラージヒル

<北京五輪ノルディック複合個人ラージヒル>銅メダルを獲得した渡部暁斗(AP)
Photo By AP

 北京五輪ノルディックスキー複合男子個人ラージヒルが15日行われ、5大会連続出場の渡部暁斗(33=北野建設)が銅メダルを獲得した。

――どんなレースだった?

「僕もハラハラした。なかなか協力してくれるような選手がいなくて、けっこうサインも出したけど、あまり引っ張ってくれなくて自分で良いペースをつくらないといけないなと思いながら走りつつ後ろとの差も見つつっていう感じでハードなレース。最後(余力は)残ってなかったけど、最後の最後まで金メダルを諦めずに走れた」

――1周目の終わりにコースを間違えたリーベルについては。

「戻ってくるのが見えたので、間違えたんだなと思った。でも、ポジション的には1位になったなと思ったけど、そこでちょっと自分のペースを崩してはいけないと思ったので冷静になってと思いながら走った」

――最後のプランは。

「後ろのデカい集団が来ているのが見えていたので、自分で行くのは嫌だと思っていたら、ランパルトが行ってくれたのでそこは彼の心意気に感謝したい。その代わり、彼も疲れていた。最初の登りでリーファーとファイストが遅れているのが見えたので、これはランパルトの勝負になるかなと思ったけど、彼も登りで疲れていたのでもしかしたら金が巡ってくるかなと思ってたら後ろからサクっと抜かれて2人が来たので思ったようにはいかないなって、改めてゴールして反省。思い返せば、なんであそこでもうちょっとあそこのストレート頑張れなかったんだろなとか思うことあるけど、レースの最中はそんなことも考えられないくらいの頭だった」

――今季W杯で表彰台がない中でのメダル。

「執念ですね。もう、正直、自分のこと信じられないというか、表彰台もなくここまで来て、良いジャンプしたけど全然金メダルを獲るって言ってプレッシャーをかけてきたけど、今日に関しては全然自分のこと信じられなくて、本当に大丈夫かなって思いながらスタートした。メダルが獲れただけ上出来、今シーズンの戦いを考えれば」

――最後まで金メダル争いをした。

「僕のパフォーマンス自体は別としても、全体のコンバインドのレースとしては面白いと思う。面白いレースが、この五輪という注目されている中で、見ていただけたのはコンバインドの面白さが伝わったと思うので満足している」

――金メダルに近づいた実感は。

「ないですね。金メダルに近づいてたのは、ソチと平昌の時だと思う。今回は遠いところから、なんとか銅メダルを獲れて良かったなと思う」

――金、銀との秒差も関係ない?

「関係ないですね。0・6秒だろうが、何秒だろうが、僕が金メダルじゃないことには変わりはないので。本当はそこに手を掛けて終わりたかったけど、今シーズンの自分のパフォーマンスを考えればこれがせいいっぱいなのかなって思う」

――4年間でどこまでいけた?

「分からなかった。手を伸ばしてつかもうとするほど、手からこぼれてしまう。届かない人間んもいるんですって感じ。でも、ベストは尽くせたし、山頂にはたどり着けなかったけど、いろんな角度から山を見られて良い時間を過ごせたかなと思う」

――団体戦へ。

「日本チームみんなが良いジャンプをしている。良いジャンプができれば、今日みたいにチャンス巡ってくると思うのでそこはチーム一丸となって、もう一度メダルを獲りにいく気持ちで戦いたい」

――執念というのはメダルへの執念か、やり尽くしたい執念?

「両方ですかね。一つメダルを持って帰りたいという、手ぶらを帰るよりはという気持ちもあるし、最後の最後100%自分のために時間を使うのは最後って宣言したし、そういう意味でも出し尽くして終わりたいなと思ったので、最後の最後まで自分が空っぽになるくらいの気持ちでやり尽くそうっていう執念でもある」

――メダルを獲得して何か心境は変わった?

「分からないですね。とにかく五輪が終わって、まだW杯もあるし、今シーズン戦い抜いて、そこでどういう気持ちになるかはそこで考えればいいかなと思う。でも、とにかく全力を尽くしていきたい気持ちはあるので、日々やり尽くしていくだけ」

――グローバクとオフテブロが来ているのは感じた?

「いや、分からなかった。ランパルターかもしれないし、ファイストかもしれないしっていう感じで。寒すぎて、頭でエネルギー使うのはやめようと思って、考えるのをストップして自分のベストの走りというか、最後の最後まで頭の方でエネルギーを使うんじゃなくて体の方でエネルギーを使おうを思いながら最後の一押し自分のために押していこうって走っていた」

――途中で全員で引っ張り合っていれば体力を残せていた?

「残せていたかもしれないし、相手が違ったかもしれない。グローバクとオフテブロに追いつかれなかったと思うので、もうちょっと引っ張り合っていれば。だから、レース展開は変わったと思う。ただ、今日はそういう展開だったっていうだけ。そこで残せない自分が、そういうところが金メダルに届かないところだと思う。それはそれで、そういう自分だったのかな」

――リーベルがコースを間違って追いついた時も自分から前に出ようと思った?

「彼が避けたので、行く気ねえんだなって感じで。そこは体力残っていたので、リーベルの後ろにつくというよりは後ろの手段から逃げなきゃって気持ちがあったので自分のペースを崩さないように前に出た」

――ノーマルヒルが終わってからここまでの調整について。

「ジャンプの修正ですかね。それだけでした。走りはなんとかなると思っていたので、飛べれば。とにかく良いジャンプをしなければつながってこないと思ったので、そこ集中していた。わりと変に気負うことなくリラックスして取り組めた」

続きを表示

この記事のフォト

2022年2月15日のニュース