岡崎真氏 羽生緊張?まるで別人 鍵山は手がつけられない存在になる可能性

[ 2021年3月28日 05:30 ]

フィギュアスケート世界選手権最終日 ( 2021年3月27日    スウェーデン・ストックホルム )

<世界フィギュア第4日>男子フリー、演技をする羽生結弦(撮影・小海途 良幹)
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 【岡崎真の目】ライバルのチェンや鍵山の素晴らしい演技の後で緊張感があったのか、羽生は冒頭の滑り出しから動きが硬く、スピードもなかった。足元が滑っていない分、4回転ループも4回転サルコーも上半身と下半身のバランスがかみ合わず、ミスが続いた。

 本来はもっと滑ってきて跳ぶ選手。それでも転倒せずに最小限の減点で食い止めたのはさすがだったが、全日本の時と比べるとまるで別人のようだった。全日本の時に私は「顔でも演技をしている」と表現したが、今回はその余裕すらないように感じられた。

 それでも後半は意地を見せた。コンビネーション絡みで4回転トーループを2つ成功させ、少しでも点数を取ろうとスピンやステップも丁寧にこなし、全てレベル4を獲得したが、前半のミスを挽回するまでには至らなかった。ジャンプの失敗とともにプログラムの精彩を欠いてしまったのは残念だった。

 鍵山は素晴らしかった。緊張度合いが強いと疲労度も早いので、最後の2つのジャンプでミスも出た。ただ、それを補うだけの加点があった。ジャンプも素晴らしいし、スピンも回転が速い。さらに演技に深みが増すようになれば、来季はオールラウンダーとして手がつけられない存在になってくるかもしれない。 (ISUテクニカルスペシャリスト、プロコーチ)

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