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スポニチキャンパス

履正社医療スポーツ専門学校サッカーコース

[ 2020年2月4日 05:30 ]

履正社医療スポーツ専門学校・サッカーコースの選手たち(撮影・奥 調)
Photo By スポニチ

 【NEXT STAGE それぞれの道へ――何を目指すのか、どう向き合うのか】

 サッカーが大好き。サッカーに関わる仕事がしたい。履正社医療スポーツ専門学校のサッカーコースは、生徒のニーズに応えるため、海外留学、資格取得などきめ細かいサポート体制を整えている。約6割がサッカー関係という今春卒業生の進路もバラエティーに富んでいる。

 サッカーコースでは常に「NEXT STAGE」を意識させる取り組みを続けている。社会人として何を目指すのか、サッカーとどう向き合うのか。目標と目的を明確にすることで、するべきことが見えてくるからだ。

 3月に卒業する松原楓(19=島根・明誠)はJリーグ、ガンバ大阪のスクールコーチとして、新たな人生をスタートさせる。幼稚園から小学生までの子供たちに指導する日を楽しみにしていた。

 「サッカーの指導者になるのが夢でした。好きなサッカーを仕事にできるのは幸せ」

 島根を離れ、2年間下宿暮らしをしながら、サッカーに打ち込んできた。昨年までは履正社FCの主将として、6年ぶりの全国専門学校サッカー選手権優勝にも貢献。プレーだけでなく、指導者を目指し、C級コーチライセンスを取得。これがG大阪への道を開いた。

 「学校ではスキルを磨けて、指導者としての勉強ができたのが大きかった。子どもたちがサッカーを好きになってもらえるように、自分ももっと学んでいきたい」

 松原とは違う形でサッカーと関わることを選択したのが佐伯裕貴(21=長尾谷)だ。在学中に2級審判員の資格を手にし、さらに上の1級審判員を目指し、学校に残り、勉強を続ける。

 「小学校のときの試合で納得できない判定があって、審判員がいかに大事な存在か気づいたのが原点です。上のレベルの審判員を目指して、これからも経験を積んでいきたい」

 大阪府サッカー協会と関西学生連盟の審判部に所属しながら、履正社でレベルの向上に取り組んでいる。昨年は全国女子サッカー選手権の副審も務めるなど、着実にステップアップしている。

 コーチライセンスや審判資格など履正社医療スポーツ専門学校のサッカーコースでは最低3種類の資格取得が卒業条件。ハードルは高いが乗り越えたときの充実感は格別だ。

 ▽履正社医療スポーツ専門学校 前身は1970年(昭45)開校の十三経理専門学校。2008年(平20)、現在の名称に。大阪府内に十三・茨木・箕面の3キャンパスがあり、競技スポーツ・医療・トレーナーの分野に加えて今春スポーツ外国語学科がスタートし語学についても専門的に学ぶことが可能になる。

 【マドンナ図鑑 智葉そらの 多くの経験積めた】女子としてサッカーコースに在籍する智葉そらの(19=広島文教女大付)にとっても充実した1年目だった。選手としてはなでしこチャレンジリーグに所属するスペランツァ大阪高槻に所属。レベルが高い中で体力、技術を磨いてきた。また試合の合間にはインターンシップとしてC大阪のスタッフにも参加した。「いろんなイベントで準備がいかに大切か分かった。先生の人脈が凄いから、多くの経験ができます」と将来的にもサッカーに携わっていくことを考えていた。

 【成長誓うエースFWブラウン飛雄吾】人工芝のサッカー専用グラウンドで、目を引くのは1メートル85の長身だ。ブラウン飛雄吾(19=京都両洋)は昨年、履正社CLUBのFWとして1年生から活躍。大阪府社会人3部リーグで優勝、4年ぶりの2部昇格の中心になった。

 「試合を重ねるうちにチームとしての呼吸も合うようになった。今年はスキルを磨いて決定力を高めたい」

 履正社医療スポーツ専門学校のサッカーコースでは履正社FCと履正社CLUBの2チームを編成し、大阪府社会人リーグに参戦。来季はいずれも2部に所属し、直接対決も予定される。

 「いい意味でライバル。負けないように切磋琢磨(せっさたくま)していきたい」

 ジャマイカ人の父親譲りの身体能力で、ひと回り大きく成長することを誓っていた。

 ≪高祖GM「当たり前のことを当たり前に」≫サッカーコースの指導の中心が高祖和弘GM(60)だ。松下電器でGKとして活躍後、G大阪でコーチ。2000年からはJ2鳥栖の監督を2年務めるなど経験は豊富だ。「当たり前のことを当たり前にして、自立する。そんな学生であるよう指導しています」。今年1月13日、埼玉スタジアムで行われた全国高校サッカー選手権決勝で副審を務めた武部陽介氏、渡辺康太氏はともに同校OB。卒業生の活躍に高祖GMも目を細めていた。

 ≪宮崎、将来ばっちり ダブル・ラーニング制度導入≫履正社医療スポーツ専門学校では学校内の各コースを併用できるダブル・ラーニング制度を取り入れている。これを使っているのが宮崎裕真(20=高知西)だ。サッカーコースでC級コーチライセンスを取得。今年からは柔道整復学科で資格取得の勉強に入る。「地元高知で接骨院の仕事をしながら、子どもたちにサッカーを教えたいんです」。将来設計は万全だ。

 ≪特化した語学習得「スポーツ外国語学科」開設≫履正社医療スポーツ専門学校では今春から新たに「スポーツ外国語学科」をスタートさせる。スポーツに特化した語学学校としては日本初。指導者、通訳、トレーナーなどグローバル化が進むスポーツ界に必要とされる人材を育成することが目的。学科長にはラグビーW杯で代表チームの通訳を務めた佐藤秀典氏(38)が就任。「学生と生徒が一つの夢を共有できる空間をつくりたい」とONE TEAMを宣言。今後サッカーコースとの連携も進める予定だ。

 【魅惑の学食 寮母がつくる栄養満点一汁三菜】民間の共立メンテナンスが運営する学生寮(大阪府茨木市)ではサッカーコースの学生も多く生活している。激しいプレーをグラウンドで毎日行う学生たちには、バランスの取れた食事は欠かすことができない大事な要素。ここで提供される料理は一汁三菜を基本に栄養バランスに優れたものばかり=写真。寮母が丹精込めて作った出来たての温かい料理は、学生たちの体を支える重要な役割を果たしている。

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