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西南女学院大排球部

[ 2019年7月18日 05:30 ]

愛らしい笑顔ではしゃぐ西南学院大排球部
Photo By スポニチ

 【秋の“守”役になる 守備力磨いて頂点へ】

 九州大学女子バレーボール連盟に所属する西南女学院大排球部は、1部の12チームのうちで唯一の4年制の女子大だ。部員20人は「継続は力なり」をモットーに学業、部活両面で努力を続けている。春季リーグは4位。守備力を磨いて、秋季で狙うは悲願のリーグ初制覇だ。11月末から始まる「秩父宮妃賜杯全日本バレーボール大学女子選手権大会(通称・全日本インカレ)」に出場できる枠「6」入りも狙っている。

 上品かつ西洋の雰囲気が漂う校舎奥にある体育館で、西南女学院排球部は週6回、汗を流している。バスケット部とともに強化指定の部活となっており、部員20人のうち半数以上が高校時代に総体、春高バレーなど全国の舞台を経験している。

 「オール九州出身者で、半数が福岡県の子です。“オール九州”で九州1位の座を狙っていますが、なかなか鹿屋体育大、福岡大の壁が厚いんですよね」

 直方高(福岡)、鹿屋体育大でアタッカーとしてプレーし、コーチからの指導で15年目を迎える篠木賢一監督(44)は現状を語る。

 最高成績は18年春・秋、15年春、14年秋に記録したリーグ3位。今春は4位だった。9月末から始まる秋季リーグと春の順位の合計得点で、11月末から全日本インカレ出場権がかかるだけに秋への準備段階を続けている。

 文武両道を貫いているのも、西南女学院の魅力だ。強豪大学のような体育コースはない。一般学生と待遇は同じで保健福祉学部、人文学部のいずれかに在籍している。練習時間は3~3時間半だが、講義の5限目が午後5時過ぎまであり、同6時にしか全員が集まらない。さらに練習後には宿題や課題も多く、さらに遠方者の選手寮はなく、独り暮らしでの自炊生活。「資格を持って就職し、夢をかなえるのも大事。学業優先で成績が悪いと練習停止になってしまいます」と指揮官。管理栄養士、英語教諭、旅行業への就職を目指しながら賢く、強くボールを追う日々を続ける。

 8月から夏の試験のため約1カ月間、部活は休みとなる。部員は自主練習とともに学業にも打ち込み、秋季リーグへの仕上げに入る。「何とか守りを磨いて全日本インカレ出場も決めたい」と篠木監督。1部リーグ12チームのうち出場枠は「6」。西南女学院は部のモットーでもある「継続は力なり」を実践し、こつこつと学業、バレー両面で得点を上げる努力を続けている。

 ≪U―23代表候補セッター小川「スパイカー生かすトスを」≫精神的支柱は、U―23(23歳以下)代表候補のセッター小川紗登子(4年)だ。1メートル71とセッターにしては長身で、九州選抜のセッターも務めた。「うちは速攻が軸。スパイカーを生かすトスを意識しています。秋に向けてはブロックのレベルアップ、決定力増が必要」と現状を冷静に分析する。「ハンドリングがいい」と篠木監督もイチ推しする小川は「Vリーグでプレーしたい」とプロ入りを目標に掲げている。

 ≪権主将「全員でつなぐ」≫盛り上げ役は、権(ごん)実可子主将(4年)が担う。セッターとしてプレーしてきたが現在は右肩脱臼で離脱中。コート脇で大声でサポートしている。「みんな明るいけど“やるときはやる”を徹底させています。うちは大エースは不在。レシーブで劣らないよう、全員でつなぐ意識を持たせています」と笑顔を見せる。

 ≪1年生エース川内、先輩に恩返しを≫エースは今春入学のルーキー川内愛以(あい、1年)が務める。春季リーグから上級生にまじり不動のレフトとして出場した。佐賀清和高では総体8強、春高バレー16強と経験豊富で4人姉妹の三女は思い切ったプレーが魅力だ。「1年生ですけど先輩に負けないように。春に助けてもらったものを秋に恩返したい」と話した。

 ≪点取り屋の平山、攻め幅増やす≫ポイントゲッターは、チーム最長身1メートル76のセンター平山礼嫣(れおん、3年)だ。春季リーグの最多得点者に与えられるベストスコアラー賞を獲得。セッター小川も「完ぺきに信用してます」とトスがさえる。妹・平山詩嫣(しおん)は東九州龍谷高(大分)から今季Vリーグ久光製薬に入団。「妹も頑張っています。私も攻めの幅をもっと増やしたい」と刺激し合う。

 ≪部員支える井村マネ≫コートを忙しく駆け回るのが、井村小春マネジャーだ。主務兼選手の肩書きだが4年生となってからサポート役に徹している。「全部員がコートのどこで何をしているのかを把握しています」と頼もしい。保健福祉学部栄養学科の学生として、学校給食の指導や栄養アドバイスを行う栄養教諭を目指して勉強中。「いろいろと大変ですが、楽しい」と満面の笑みを見せる。

 ▼西南女学院大 1922年(大11)創立、94年設置のキリスト教系の私大。校訓は「感恩奉仕」。学部・学科は保健福祉学部に看護、福祉、栄養学科と助産別科(1年課程)があり、人文学部に英語、観光文化学科がある。西南女学院短大、同中・高は併設校で、西南小・中・高・大は姉妹校。工藤二郎学長。住所は北九州市小倉北区井堀1の3の5。

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