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北九州市立大空手道部

[ 2019年4月25日 05:30 ]

元気に活動中の北九州市立大空手道部
Photo By スポニチ

 【技と礼儀鍛える 来年創部70年 基本大事に新たな伝統つくる】

 北九州市の北九州市立大空手道部は1950年(昭25)に創部した伝統ある部活動だ。深川慶樹主将(4年)を中心に、技量だけではなく空手道を通じた人格形成も掲げる。基本を大事にしながら大会や黒帯取得へ向けた奮闘を紹介する。

 2020年東京五輪の正式種目に選ばれ、空手は今注目を集めている。深川主将は「精神力と忍耐力が鍛えられます」と魅力を語る。来年で創部70年。長い歴史の中で「一番大事にすること」は各世代の主将が決めてきた。深川は「礼儀」だ。

 技術向上はもちろんのこと練習前のあいさつや、胴着をたたむ、靴をそろえる、部室を汚さない…。これらの「当たり前だけど、なかなか普段当たり前にできないことを教えるのが大切」と力説する。

 主将によっては練習第一だったり、勉強第一の人もいたという。「根本的なのは空手道部で強くなることと、人格形成。そこにどうアプローチするかで主将の色が出ますね」

 部員のほとんどが初心者だ。入部すると、空手の四大流派の一つである松濤館(しょうとうかん)流の動きをしっかり叩き込む。基本の動きは深川が「今でも練習でずっと続けている」という左下段払いだ。左足を前に出して左手で相手の蹴りを払う所作をいう。これができるようになると、突きの練習や上段上げ受け、上段外受け、組み手と段階を踏んでいく。

 週4回の練習のうち、2回はOBが来てアドバイス。しかし、基本は深川が中心になってチームを動かしている。「目標は人によって違います」と言うように、6月と11月にインカレ大会を目指す人と、黒帯取得を目指す人に分かれる。

 昇段試験は年に2度あり、1年以上競技を経験すると、試験を受ける権利を得られる。また年に1度しか受けられない。昇段試験に必要な形は、基本の形の動きを切り取ったもので、基礎練習とともに、反復して行う。この成果もあり、深川は二段の腕前という。「初めて黒帯を取れたときはうれしかった。卒業までは三段になりたい」と意気込む。

 卒業後は警察官を志している。「身につけた技、精神力を生かしたい」と目を輝かせた主将は、優しく後輩に指導を続ける。

 ▽北九州市立大 福岡県北九州市の公立大学。1946年(昭21)設置。主な学部は外国語学部、経済学部、文学部、法学部、国際環境工学部、地域創生学群。主なOBは中田賢一(ソフトバンク)、平田真吾(DeNA)、立山律子(CROSS FMナビゲーター)

 【松永 黒帯目指し稽古に汗、女子4人も奮闘】

 女子は4人が在籍。松永彩香(2年)は熊本県荒尾市生まれ。小学校6年間で空手の経験がある。中学、高校では吹奏楽部で競技を離れていたが、大学生になり、「組み手が楽しかったのを覚えていて。またやりたいなと思ったんです」と白の胴着に身を包んだ。

 現在は週に2度程度指導に来るOBからアドバイスされた課題に向き合う。顎が上がっているところ、腰を落とすことの2点だ。「顎は反撃を受けやすい。腰が高いとあんまり技に力が入らないからです」と説明した。

 現時点で大会に出場する予定はなく、現在の目標は黒帯を取ること。そのためにも「バランスを取るのが苦手なんで。動いた後に足がふらいついちゃう」と一つずつ課題をクリアすべく稽古に励む。

 入部してからは礼儀面で成長を感じている。日常生活はもちろん、OBとは食事会で交流し、社会性が身についた。将来の夢は公務員。その前に、得意の回し蹴りで初段へ突き進むつもりだ。

 ≪小学校以来の復帰、恵良「格闘技好き」≫高校時代は野球部だった恵良勇介(2年)。小学校のころに極真空手の経験があり、「ずっと格闘技が好きでやりたかったんです」と目を輝かせる。得意技は中段蹴り。足腰を鍛えるため、個人的に走り込みもするという。現在の目標は松永と同じく黒帯を取ること。「これで恥ずかしくないという状態まで練習してから受けたい」と深川のアドバイスを受けながら稽古に励む。

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