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大体大ハンドボール部

[ 2019年1月8日 05:30 ]

男女アベック優勝を達成した大阪体育大ハンドボール部
Photo By スポニチ

【王国隆盛 アベック日本一 東京五輪に向け視線は世界へ】

 大体大ハンドボール部が、平成30年度全日本学生ハンドボール選手権大会(全日本インカレ)で、同大学初のアベック優勝を果たした。女子は決勝で東女体大を24―22で下し、史上初の6連覇(V7)を達成。男子は福岡大との延長戦を38―35で制し、17年ぶり10度目の栄冠を手にした。

【女子 史上初6連覇】

 女子が前人未到の全日本インカレ6連覇を達成した。連覇がスタートした2013年から、決勝で3度対戦していた東女体大を返り討ちして7度目の優勝を手にした。

 新たな歴史を刻んだGK犀藤(さいとう)菜穂主将(4年)は「うれしいというよりホッとしました。先輩方が築いてきた歴史をつなぐことができて良かったです」と胸をなで下ろした。

 昨年、日体大、東女体大が持つ大会記録の5連覇に並んだ。その日から偉業達成に周囲の期待は日に日に高まった。プレッシャーに悩まされることもあったが、“常勝大体大”にあこがれ入学した選手たちにとって、勝ち続けることは励みでもあった。常に上を目指す。誰もが高いモチベーションを持ち続けていた。

 昨夏、楠本繁生監督(54)と犀藤主将ら4選手が世界学生選手権(クロアチア)に出場するため、約1カ月半の間、チームから離れた。「学生だけでは無理なんじゃないか…」。主将の心配をよそにチームは、一回りも二回りも成長していた。指揮官は「誰にも言ってもらえない分、小さい目標を立てて選手同士でやっていた。苦しいときをよく乗り越えてくれた」とチームの成長を確信した。

 今年11月には熊本で女子の世界選手権があり、20年には東京五輪が開催される。20歳以下、24歳以下の女子日本代表監督でもある楠本監督は「大学で世界に活躍できる選手を育てて、日本のハンドボール界に貢献したい」と世界に目を向ける。

 楠本監督が就任以来、9年間で学生相手に敗れたのは2度で、いずれも全日本インカレ決勝戦。連覇中の6年間は156連勝と無敵だ。驚異的な強さを誇る女子ハンドボール部は、日本女子ハンド界を担う名将の下、新たな頂を目指す。

 ≪中山、学生世界一貢献 20年に自信≫24歳以下日本代表として、昨夏の世界学生選手権に出場したCP中山佳穂(2年)は、日本ハンドボール界初の金メダル獲得に貢献した。楠本監督が「腕のしなりは天性のもの。東京五輪で代表入りしてほしい楽しみな選手」と期待する逸材だ。サウスポーは「海外の選手と戦うたびにフル代表に選出されたい気持ちは強くなる」と東京五輪への熱い思いを口にした。上に行くための自信はある。「世界学生で1試合平均で5〜6点は取れた。上からの打ち込むシュートはある程度通用することがわかった。あとは守備。今は攻撃主体の起用なので、守りを磨いて攻守両面で使ってもらえる選手になりたい」と抱負を語った。

【男子 17年ぶり10度目頂点】

 男子が17年ぶりの日本一を手にし復活ののろしを上げた。関西では敵なしも、全国では過去2年ベスト8止まり。大会を通じて32点を挙げ優秀選手賞を受賞したCP阿部成将(4年)は「お世話になった人たちの笑顔を見て誇らしい気持ちになった」と喜んだ。

 諦めない気持ちが頂点への道を切り開いた。下川真良監督は「諦めない気持ちが、試合を重ねるごとに出てきた」と言った。ベスト8を懸けた日体大戦以降の全試合を逆転勝ち。どんなボールにも飛びつき、ボールを奪い取る、今大会のテーマ「体大らしさ」で奪還した。

 就任3年目で全国優勝に導いた指揮官は「ここからがスタート。プレッシャーはあるが、常勝チームをつくり上げたい」。連覇を続ける女子に負けてはいられない。

【祝賀会で岩上学長 日本を背負って】

 男女アベックVを記念し、4日に大阪市内のホテルで優勝祝賀会が開催された。岩上安孝学長は「男女アベック優勝は学生諸君の手作りの福袋をいただいた気分です」と快挙を喜んだ。東京五輪に向けて「本学のハンドボール部が日本のハンドボール界を少しでも後押しできれば」と期待した。

 ▽大阪体育大学 1965(昭40)年開学。体育・スポーツを専門的に学ぶ体育学部と小学校教員を目指す教育学部の2つの学部があり学生数は約2700人。ハンドボール部のほかにも総理大臣杯準Vのサッカー部(男子)など全国レベルのクラブが多数。

 ◆楠本 繁生(くすもと しげお)1964年(昭39)10月10日、和歌山県出身の54歳。北陽(現関大北陽)―大体大。全日本インカレ優勝。卒業後は洛北(京都)の監督として女子ハンドボール部をインターハイ4連覇を含む14度の全国優勝に導く。2010年に大体大の監督に就任。20歳以下、24歳以下女子日本代表監督も兼務する。

 ◆下川 真良(しもかわ まさよし)1976年(昭51)6月23日、京都府出身の42歳。北陽(現関大北陽)―大体大。全日本インカレ優勝2度。実業団の湧永製薬で9年間プレーし、日本代表にも選出され、世界選手権や2度のオリンピック予選を経験。退社後はHC岐阜、朝日大の監督を務め、16年に大体大の監督に就任した。

【魅惑の学食 日替わりバランス定食】

 “体育大学ならでは”が詰まった「バランス定食」1200キロカロリー(400円)。その他にも用意されている800キロカロリー、1600キロカロリーの3つの献立例を元に主食、主菜、2種類の副菜を自分で選択し、エネルギー量を調整。求めるパフォーマンスに応じた食事を取ることができる。学内の管理栄養士が監修するバランスの取れたおかずが日替わりで提供され飽きが来ず、学生にとってありがたい定食だ。また、今春に食堂の改修工事を予定しており、よりバラエティーに富んだメニューの提供が期待される。

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