×

スポニチキャンパス

日経大女子バスケ部

[ 2019年9月26日 05:30 ]

インカレ優勝に向け練習を重ねる日経大女子バスケ部ゴールデンクローズ
Photo By スポニチ

 【インカレVへ“走力戦”で勝つ 西日本大会制覇の勢い止めない!!】

 福岡県太宰府市の日本経済大女子バスケットボール部ゴールデンクローズが快挙を成し遂げた。6月に大阪で行われた「第68回西日本学生バスケットボール選手権」で初優勝。現在は大学日本一を決める「全日本大学バスケットボール選手権(インカレ)」の優勝を目指して練習を重ねている。

 67チームにより争われた6月の西日本学生選手権。ハイライトは準決勝の愛知学泉大戦だった。相手は大会3連覇中で日経大は3年連続で敗れていた。昨年のインカレでも負けていた“難敵”を78―75の3点差で破った。

 大会MVP、3ポイント王の2冠だったシューターの喜多伊綾(いくみ)主将(4年)は「勝てたからよかったじゃなくて、去年より内容にこだわってやってきました。追求できたから今年は勝てたのかなと思います」と胸を張った。勢いそのままに、決勝は名古屋経済大に86―40のダブルスコアで快勝した。

 新チームは「愛知学泉大を破っての西日本大会優勝」「インカレ優勝」の2つを目標に掲げて始動した。主将の喜多を、ほかの4年生5人が副主将で支える体制が大きな特徴。これは02年の創部以来初だった。案浦知仁監督(34)は「全員でキャプテンとチームを支えるようにやってほしかったので」と説明。喜多主将は「試合に出る4年生は主に3人だけど、ほかの3人が理解してくれるのでやりやすい」と感謝する。

 目標達成のため、喜多主将はコミュニケーションを大事にしてきた。「去年は下級生で(先輩や後輩に)言いにくいところもあって。だから今の下級生が言いやすい環境づくりをしている」。こうして厳しいトレーニングにも、雰囲気良く臨むことができた。

 選手によると、前線から相手にプレッシャーをかけボールを奪って攻撃につなげるバスケットボールが持ち味。セネガルからの留学生2人がセンターを務める。それでもガードやフォワードなどは関東の大学に比べサイズが小さい分、1対1で一瞬で抜くなど、瞬発系のメニューを重ねてきた。1メートル58のガード、岡田咲恵(4年)は「脚を使う練習が多い。きつかったけど、結果になっているから苦ではなかった」と振り返った。

 また、毎週木曜日は外部からトレーナーを招き、フィジカルを鍛える。指揮官は「ここ2、3年ですね。特に九州では転ばなくなり、ターンオーバーの回数が減った」と効果を感じている。

 次なる目標は昨年の6位を超えるインカレの優勝だ。4年連続4度目の出場への条件は14日に開幕した4連覇がかかるリーグ戦で3位以内に入ること。喜多主将は「みんなのモチベーションは上がっている。西日本で優勝して応援してくれる人が増えたので、いい試合がしたい」と意気込む。

 ≪杉、途中出場で「流れ変える」≫下級生も奮闘中だ。フォワードの杉咲里奈(2年)は途中出場が多い。「流れを変えられるようにしたい」と得意なジャンプシュートを決めるつもりだ。同じフォワードの清本優菜(3年)は「西日本大会で優勝して、(みんなで)高い意識を持って練習ができている」と手応えを口にする。「一つ一つのことを突き詰めて、まずは九州では圧倒的な力で勝てるようにしたい」と力強かった。

 ≪マレム活躍の秘密は睡眠≫セネガル人留学生のダラーメ・マレム・ドイ(4年)は1メートル87の長身センター。13年に来日し、「マレム」の愛称で1年目から得点源として活躍している。活躍の秘密には「7時間は寝ます。めっちゃ寝ます。休むと元気になる」とニッコリ。練習だけでなく、整骨院に通ったり身体のケアも入念だ。

 ≪マネジャーが躍進支える 藤吉真希さん、三浦可帆さん≫3年生マネジャーの藤吉真希さんと三浦可帆さんの2人が縁の下で支える。仕事は多岐にわたる。大会参加の事務手続きや運営、宿舎の確保のほか、練習中はタイマーに時間をセットしたり、水を運んだりしてサポート。大会中は他チームの試合を撮影し分析するスカウティングも担当。藤吉さんは「西日本大会の優勝は凄くうれしかった。もう一度全国に向けて頑張ってほしいです」とエールを送った。

 ≪皇后杯でプロにも勝つぞ!!≫リーグ戦と並行して、クラブチーム、プロチームも参加する「第95回天皇杯、第86回皇后杯」を戦っている。都道府県予選を勝ち上がり、21日からの1次ラウンドでは初戦で高瀬高校(香川)に106―39で圧勝。22日は鶴屋百貨店(熊本)に79―78で勝利し、プロチームも参加する2次ラウンド(11月30日~)進出を決めた。喜多主将が「鳴り物の応援とかがあって、雰囲気が違う」と話す大舞台で、プロをあっと言わせたいところだ。

 ≪指揮官、西日本V「じわりと」≫07年から指揮を執るのはOB、案浦監督だ。当時の部員は7人とギリギリ。「風邪で休みの部員がいて練習に行ったら一人のときもありました」と懐かしむ。地道な勧誘活動で少しずつ部員を増やしていった。それだけに西日本選手権の優勝は感慨深く「じわりときた。あまり信じられなかったですね」と歩みを振り返った。

 ≪ボランティアで元気いただく≫チームは今月上旬、佐賀県武雄市を訪れてボランティア活動を行った。8月に大雨の被害にあった同市で、駐車場にたまっていた泥を土のう袋に入れて運んだ。案浦監督は「チームとして動いたのは初めてだった。地元の人たちにもよくしていただき、逆に元気をいただいた感じです」と振り返った。主将の喜多は「こういう機会があれば、また行きたいです」と話した。

 ▽日本経済大 福岡県太宰府市の私立大学。1968年(昭43)に第一経済大として開校。2010年(平22)から現校名に。学科は経済学科、商学科、経営学科、経営法学科、健康スポーツ経営学科、芸創プロデュース学科、グローバルビジネス学科。主なOBはプロ野球の岸川勝也(現スポニチ本紙評論家)、張奕(オリックス)ら。

続きを表示

この記事のフォト

バックナンバー

もっと見る