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スポニチキャンパス

福岡女学院大創作舞踊クラブ

[ 2018年7月18日 05:30 ]

10月の公演に向けて練習に励む創作舞踊クラブ
Photo By スポニチ

 【魅せます!IT社会の舞】

 福岡女学院大の「創作舞踊クラブ」は、東京五輪が開催された1964年(昭39)に発足した伝統あるクラブだ。部員13人は毎年恒例の公演に向けて、週3回の稽古に励んでいる。テーマを決め、踊りで表現する創作舞踊の世界。今年の公演では「加速する現代社会」を一丸となって披露する。

 キャンパス内にある体育館。Tシャツ姿の13人は大粒の汗をかきながら週3回、体を動かしている。約20年間指導しているというOGの松崎寛子コーチ(63)は「毎年1回の公演に向けて練習しています。表現する心はみんな持っているので、その心を解放させるように指導しています」と話す。

 学校が短大時代だった1964年にクラブは創部された。3時間の練習では約1時間をストレッチや体幹トレーニングに割く。「ケガをするのもあるし、自分の体を分からないと踊れない。幹があって体は動くのでそれを鍛える」と松崎コーチ。自分の体を知るための練習の一つが「舞踊的身体育成法」だ。ラジオ体操のようなゆっくりとした音楽に合わせ、手を上下に動かし、伸ばしたりして動き回る練習法だ。

 毎年行う公演へ向けて、稽古に励むメンバーたち。今年のタイトルは「加速する現代社会」。機械化が進む現代社会での慌ただしさ、人間関係の希薄さなどを表現しながら、IT社会で人間がどう生きるかを問う作品だ。副部長を務める3年生の谷槙は「今まではきれいな作品が多かったので、今年は機械的なものにしようと思った」と話す。現代社会を表すため、スマートフォンを掲げるポーズやパソコンを動かすポーズなどを練習から取り入れている。また、作品に合った音は部員全員で決める。

 部員は創作舞踊の初心者がほとんど。谷はきれいに踊る先輩の姿に目を奪われ入部を決めたという。「コーチや先輩に教えてもらったり、やった分だけうまくなれる」と楽しそうに話す。身長は1メートル52と一番小さく、体も硬いが、本番での成功を目標に奮闘中。「踊り込んでいくと、動きはそろう。そうすると眼の動きも目立つようになるので、それも合わせていきたい」と意気込む。4年生の西ひかりは力強さ、滑らかさを意識しながら練習している。西は「ありのままを見ていただければ」と来場を呼び掛けた。

 見る人を引き込ませる創作舞踊の世界。前回の東京五輪の年から続く伝統を受け継ぎ、13人は晴れの舞台で舞う。

 【締めくくりは輪になって声出し】

 練習の締めくくりは創部当時から変わらない。メンバー全員で輪になってスクラムを組みながら声を出すのだ。

 腹の底から声を出すことで腹筋が鍛えられる。声を合わせて気持ちを一つにし、結束を高める。さらに手拍子をした後に「5、6、7、8、ファイト〜ゴー!」と声を上げる。最後に連絡事項を言い、「お疲れさまでした。ありがとうございました。ごきげんよう。さようなら」と言って解散するのがルーティンだ。

 【佐藤“水中二刀流”の経験生かす 中学時代に競泳&シンクロ掛け持ち】

 貴重な存在だ。熊本県菊池市出身の佐藤すみれ(3年)は、小学校から高校まで水泳部で活躍。中学校3年間は熊本市内のクラブチームでシンクロを掛け持ちしていた経験を持つ。

 「1人3種目ぐらい掛け持ちしていたので、いろいろやっていました」

 大学に入ると、部活紹介での演技に魅了され、入部を決意。陸と水中のギャップに「1個の作品を踊るのに400メートル泳いだ感覚なんです」と苦労することもあったが、演技時の姿勢などに経験は生きている。

 つま先の伸ばし方、体幹の締め方など稽古中からシンクロと似ている部分は多いという創作舞踊。10月の公演に向けて「(部員たちと)ベクトルを合わせていきたい」と誓った。

 【10月5日から3日間、4回公演】

 創作舞踊クラブが行う公演「加速する現代社会」は10月5、6、7日に行われる。場所は大学内のハウイ記念館2階の学生ホール。入場料金は一般1000円。小、中高生は無料で要予約。

 公演は4回公演。5日は午後7時から。6日は午後3時からと、午後7時30分から。7日は午後2時から。大学へは鹿児島本線の南福岡駅、西鉄天神大牟田線の井尻駅または大橋駅から西鉄バスが便利。

 ◆問い合わせ チケットの問い合わせは(電)090(1341)0063、松崎さんまで。

 ▽福岡女学院大 福岡市南区日佐の私立大学。1964年(昭39)に福岡女学院短期大学として開設。学科は人文学部、人間関係学部、国際キャリア学部、短期大学部に分かれる。13年にAKB48が発売した「恋するフォーチュンクッキー」のミュージックビデオ(MV)の撮影地の一つになった。

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