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【コラム】戸塚啓

結果を残しているサッカー 2025年のトレンドは?

[ 2025年1月2日 07:00 ]

<2024Jリーグアウォーズ>MVPを獲得した神戸・武藤 (撮影・西海健太郎)
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 2024年のJ1リーグを制したのは、ヴィッセル神戸だった。神戸と優勝を争ったのは、サンフレッチェ広島とFC町田ゼルビアだった。

 では、J1で多くの支持を集めたクラブは?「サッカーが面白い」とか、「見ていて楽しい」と言われたクラブは?

 僕が思い浮かべるのは、アルビレックス新潟である。新潟がJ2で戦っていた22年にコーチから昇格した松橋力蔵監督は、自陣からしっかりとボールをつないでいくパスサッカーでJ2優勝によるJ1昇格を成し遂げた。昇格1年目の23年は10位でフィニッシュし、24年はルヴァンカップで決勝進出を果たした。

 名古屋グランパスとの決勝でも、自分たちのスタイルで0対2から同点に追いついた。延長戦でもビハインドを背負いながらスコアをタイへ戻し、PK戦で屈した。彼らは“美しい敗者”として讃えられた。

 その一方で、リーグ戦では苦戦を強いられた。開幕からなかなか白星先行に持ち込めず、29節から最終節までは4連敗を含む9戦勝利なしと停滞した。16位でJ1に残留することはできたものの、リーグ最多のパス数が勝利に結びつかなかった。

 ひるがえって、J1連覇を達成した神戸である。吉田孝行監督のチームは、パス総数も1試合平均パス数もリーグ13位だった。それでも、シュート総数と1試合平均シュート数はリーグ4位に食い込む。素早い攻守の切り替えと高いインテンシティを土台とした縦に速いサッカーは、実効性を伴っていたということだ。「相手より多く点を取る」というサッカーの本質から逆算すると、彼らのサッカーは合理的でもあった。

 初のJ1昇格で3位に食い込んだFC町田ゼルビアも、パスをつなぐことにこだわらない。パス総数も1試合平均パス数もリーグ19位で、シュート総数と1試合平均シュート数も13位だが、総得点はリーグ6位である。

 ロングスローを重要な得点パターンとする黒田剛監督のサッカーは、支持と批判が別れるものだった。その理由は色々だろうが、「パスをつなぐ」ことが好まれる日本サッカーの風土も関係していると感じる。

 世界を見渡せば、ハイプレス、ハードワーク、高強度、高速と言っていい切り替えなどが、重要な要素となっている。パスをつなぐサッカーが否定されているわけではないものの、神戸の延長線上にあるサッカーが結果を残しているのは事実だ。

 2025年のJリーグでは、どんなサッカーが結果を残すのだろう。どんなサッカーが、評価を集めるのだろう。世界のトレンドをしっかりと意識しながら、日本サッカーの価値観を磨いていくべきだと思うのだ。(戸塚啓=スポーツライター)

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