【コラム】西部謙司

強豪国としての日本女子

[ 2015年7月23日 05:30 ]

<日本・米国>決勝で敗れ、米国の表彰を見つめるなでしこイレブン
Photo By 共同

 4年前のW杯優勝から、ロンドン五輪準優勝、そして今年のW杯も準優勝。決勝の相手は常に米国で、女子サッカーは日米の時代だったといえる。W杯カナダ大会のなでしこは圧倒的に強かったわけではない。それでも接戦を制しての勝ち上がりは強豪国らしかった。

 男女ともW杯は接戦が基本である。女子は男子に比べて少し強豪国の数が少ないとはいえ、決勝トーナメントに入ればさほど事情は変わらない。それでも強豪が勝ち抜くのは、勝負強さがあるからだ。では、勝負強さとは何か。

 J1の横浜FマリノスからJ2のジェフユナイテッド千葉に移籍してきた富澤清太郎が面白い意見を言っていた。

 「日常生活からすべてを捧げているかどうか。そうでない選手はどこか甘さが残り、集中力の切れる回数が多い」

 なでしこジャパンに関しての話ではないのだが、富澤の持論は彼女たちの勝負強さに当てはまるのではないかと思った。

 技術や体力で負けていないことが前提だが、メンタルの強さは接戦を制するカギになる。強豪国は隙がなく、集中力が切れず、球際に強く、ここというときに精度を落とさずにプレーする。圧倒的に強いわけではないが、相手が根負けしてミスをする。そしてミスしたほうが接戦を落とす。

 米国やドイツに比べると、日本の女子は競技人口が少なく、プレー環境も整っていない。しかし、だからこそ女子サッカーを支えようという自覚を選手たちは強く持っている。

 男子と女子のサッカーを単純に比較することはできない。技術面だけでいえば、女子が男子に学ぶべき点のほうがはるかに多い。ただ、勝負強さに関して、男子は女子に学ぶべきところがありそうだ。(西部謙司=スポーツライター)

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