【コラム】西部謙司

コパ・アメリカ参加の重要性

[ 2019年3月22日 18:00 ]

<日本代表練習>ボールを追う冨安(左)と南野(撮影・篠原岳夫)
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 コロンビア、ボリビアとの強化試合は、コパ・アメリカへのスパーリングとしては絶好の対戦相手といえる。一方で、日本代表のコパ・アメリカへの準備がどのぐらいできているのかは気になるところだ。

 アジアカップが開催された今年、AFC外の大陸連盟が主催する大会であるコパ・アメリカへの選手招集には強制力がない。すでに大迫勇也の所属するドイツのベルダー・ブレーメンは大迫の招集を拒否する姿勢を明確にしている。拒否権を行使できるのはヨーロッパのクラブにかぎらない。ブレーメンが拒否できるなら、Jリーグのクラブにも同じことができるはずなのだ。むしろヨーロッパはオフだが、Jリーグは開催中なので主力選手の離脱はなおさら容認しにくい。

 ただ、コパ・アメリカ参加には大きな意味がある。ヨーロッパの代表チームとのマッチメークはすでに難しくなっていて、日本国内でのフレンドリーマッチは強化の面であまり意味を持たなくなっているのは以前から指摘されているとおりだ。真剣勝負の公式大会はアジアカップしかない。コンフェデレーションズカップは廃止されてしまった。ワールドカップ・アジア予選はあるが、これもFIFAが48カ国開催案を通してしまえば、いっそう緩い戦いになって強化面での役に立ちそうもない。

 唯一、コパ・アメリカは強豪国との真剣勝負を経験できる場になる。CONMEBOL(南米サッカー連盟)の加盟国は10カ国しかない。そのため1993年から招待国が参加することになりメキシコがその常連だった。メキシコはCONCACAF(北中米・カリブ海連盟)の加盟国で、こちらはゴールドカップという大会があるが、五輪代表など編成を工夫して掛け持ちしていた。メキシコが力をつけてきた背景としてコパ・アメリカ参加は無視できない。今後、ますます国際試合のマッチメークが難しくなると予想される以上、日本のコパ・アメリカ参加は強化のカギを握るといっていい。

 問題は招集に強制力がないことだ。ただ、強制力のあるなしに関係なく、選手が良い状態でシーズンを送れるように、所属クラブとJFAは綿密に連絡をとり、話し合う必要がある。Jクラブに関してはシーズン中なので、とくにクラブ間に不公平がないように配慮しなければならない。森保一監督が思うベストメンバーは揃えられないだろう。それでも、コパ・アメリカは参加することに意義がある。クラブとの折衝は代表チームにとって非常に大事な業務であり、その経験を積むことも含め、将来的に必ずプラスになる。(西部謙司=スポーツライター)

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