【コラム】西部謙司

国内組と海外組

[ 2021年3月18日 09:00 ]

川崎フロンターレ
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 日本代表の試合が久々に行われる。ワールドカップ予選のミャンマー戦が中止になった代わりの韓国との親善試合、予選のモンゴル戦の2試合だ。その間にU-24代表はアルゼンチンとの連戦がある。

 昨年10、11月の欧州遠征は欧州組のみが招集された。今回は逆に国内組が主力になるはずだ。コロナ禍で欧州から招集するのは簡単ではない。韓国戦はフレンドリーマッチにすぎず、カンボジアはそこまで難しい相手でもない。コンディション面を考えても国内組のみの編成でいいと思う。

 代表の強化プランは当初の構想とはまったく違うものになってしまった。東京五輪を経験した若手をA代表に編入していくはずが、五輪の延期とコロナのために強化試合もほとんど組めていない。森保一監督に2つのチームを兼任させた意味もよくわからなくなっている。

 そこへもってきて、今度はA代表と五輪代表が国内組、海外組に分かれそうなので、実質的に森保監督は4つのチームを率いることになるかもしれないわけだ。

 国内組、海外組という言い方が流行したのはジーコ監督のときだった。外国のクラブでプレーする選手が急に増えていた。国内組を中心に国内で試合をこなし、そこへ海外組を合流させるという強化方法を採っていたが、ひどく効率が悪かった。国内組で積み上げたものも、海外組が合流するとやり直しになってしまっていたからだ。

 4つのチームを1つに集約していく作業はなかなか大変だが、そうするしかないのが現状でもある。

 A代表の国内組については、川崎フロンターレをほぼそのまま拝借してはどうだろうか。J1では突出した強さを示している。コンビネーションの問題もない。2010年ワールドカップに優勝したスペインはバルセロナの選手たちが中心だった。2014年のドイツはバイエルン・ミュンヘン。強力なクラブチームをベースに代表チームを編成する手法は以前から行われていて成功もしている。

 欧州での遠征試合は昨年同様に海外組で行う。どこかのタイミングで国内組と海外組を対戦させて、いいほうのチームを中心に集約させていく。寄せ集めでも海外組のほうが強いのか、それともチームとして熟成している国内組なのか。

 2つのチームを別々に強化するのは非効率だが、現状ではそうならざるをえない。であれば、川崎中心の国内組はJリーグがそのまま強化試合になるから手間は省ける。ACLにも参戦するのでアジアでの経験も多少は積める。

 これは少々乱暴なやり方で川崎への負担も大きすぎるので実現性は薄いだろうが、現状に合わせた強化策を練り直す必要はあると思う。(西部謙司=スポーツライター)

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